フランス・ワーキングホリデービザ申請時の申請動機作文と計画書/履歴書の書き方

フランスのワーキングホリデービザ申請に必要な書類はいくつかありますが、今回は申請動機作文と、滞在中の計画書および履歴書の書き方についてご紹介いたします。

■もくじ(ページ内リンク)

申請動機作文について

滞在中の計画書/履歴書について

申請動機作文について

学生ビザの申請と同様に、ワーキングホリデービザの申請にも申請動機作文が必要となっており、フォーマットは在日フランス大使館公式ホームページから専用の用紙をダウンロードすることができます。

ワーキングホリデービザの申請動機作文は、日本語、フランス語、英語のいずれかで記入することが出来ます。外国語の能力を問われているわけではありませんし、記入する言語によって審査の有利不利もありません。ご自身の考えをしっかりと伝えられる言語で書くようにしましょう。

下記に、いくつかの項目に関わる注意点を記しておきますので、ご確認ください。

※フォーマット内の書き方は、ビザ希望者個人の自由です。ここでは、筆者の記載方法・内容を元にしていますので、あくまで一例であることを理解ください。

用紙左上「Date de réception:受領日ですので、記入不要です。

「学歴および取得資格等」:<学歴>/<資格>という形で、それぞれに分けて記入。

<学歴>→別で提出する履歴書に合わせて、大学入学以降を記入します。

<資格>→履歴書に合わせて、語学資格を始めとしたすべての資格を記入します。

「職歴」:学業終了後、社会人として勤務した経験があれば、記載してください。

「ワーキングホリデービザ発給の場合には、いつ頃フランスに発つ予定ですか?」:申請者自身の予定を記入します。通常、入国日は長期滞在ビザ申請書に記した日付と同日となります。

「ワーキングホリデービザの申請理由を記入してください。:申請者自身のビザ申請理由、「なぜワーキングホリデービザでの渡仏を希望するのか」を記入することになります。こちら文章に関しては、在日フランス大使館からの細かい指示は特にありません。

フォーマット上に「フランスで住みたい場所、したい仕事、活動内容などの詳細」とありますので、提示されているワーキングホリデービザの趣旨や条件と照らし合わせながら、構成することが望ましいと考えられます。

“ワーキングホリデービザは、フランスと日本の若者の国際交流を促し、互いの親交および理解を深めることを目的としています。”

https://jp.ambafrance.org/-Japonais-在日フランス大使館

筆者が実際に書いた際の構成

①なぜフランスに興味を持った(持っている)のか。

②その上で、なぜワーキングホリデービザで渡航しようと考えたのか。

③住みたい場所とその理由を、今までの渡仏経験と絡めて説明。

④現地での活動内容。1年間の長期滞在を生かして様々な場所に足を運び、豊かなフランス文化を理解したい旨を記載。その上で、語学の向上に努め、挑戦したい仕事とその理由を記載。

⑤帰国後、ワーキングホリデーで得た経験をどのように生かしていくのか、その考えや計画を記載。

申請動機作文の書き方が分からないという方は、多くいらっしゃるかと思います。しかし、申請動機作文はワーキングホリデービザの趣旨や条件とずれた内容を記さなければ、問題はないと考えられます。

ワーキングホリデービザの審査をするのは大使館ですので、判断が難しい場合は、直接大使館のビザセクションに問い合わせ、確認するようにしてください。ワーキングホリデービザでの渡航にそぐわない内容は、計画に組み込まないようにし、ご自身の計画を判りやすく書くようにしましょう。

ワーキングホリデーの趣旨や条件に合わない内容例

①仕事のみを目的とする:ワーキングホリデー中の就業は、あくまで滞在費を補うためのもので、フランス滞在中に得られる経験の一つと考えられます。フランスで仕事をすることが目的となる場合、ワーキングホリデービザでの申請が認められない可能性があります。

②専門職に関する記述:①で上げた内容と関連しますが、フランスでは2013年以降、専門職への労働目的(資格を必要とするような専門職:建築士、デザイナー、美容師、ソムリエなど)や、専門職の研修目的(調理師、パティシエなど)での渡航申請は、ワーキングホリデービザで認められなくなったと言われています。

このような、就業目的と捉えられてしまいそうな記載をすると、ワーキングホリデービザの趣旨に反してしまうことになります。

③移住を目的とする:当サイト別記事内ビザの有効期限は1年間にて述べた通り、ワーキングホリデービザが認めているのは「1年間限定」の滞在です。ワーキングホリデービザの延長や更新、現地にて新たに別のビザを取得することはできません。

ワーキングホリデー期間終了後は、帰国することを前提にしています。つまり、ワーキングホリデービザの申請段階で、永住に関して言及することは望ましくない可能性があります。

また、ワーキングホリデービザを申請する際、恋人に会う目的についての質問をよく耳にします。滞在期間を利用して会うことは問題ないと思いますが、ワーキングホリデービザの申請理由には適さない可能性があります。

ビザの趣旨に合わない点に加え、同居からの移住目的と捉えられてしまう可能性があるため、申請理由に盛り込むのは、避けたほうが無難かと思われます。

④学業のみを目的とする:ワーキングホリデービザは、教育機関に登録し、1年間を学業に費やすためのビザではありません。特に、ディプロム取得目的の場合には、学生ビザが望ましいと考えられます。

ワーキングホリデーの趣旨に沿った目的と併せて、語学習得のために語学学校へ通う形であれば問題ないかと思います。

しかし、語学学校を含めた教育機関に通うことを第一に滞在計画を立てると、ワーキングホリデービザの申請がおりない可能性も考えられます。

など

いずれの場合も、ワーキングホリデービザの趣旨を理解した上で、目的に沿ったビザの申請を行いましょう。在日フランス大使館のビザセクションでは、無料で質問に回答しています。不明な点や曖昧な点があった際には、ビザセクションへ問い合わせをすると安心です。

滞在中の計画書/履歴書について

履歴書について

フランス語で履歴書のことを「Carriculum Vitae(カリキュラム・ヴィテ;通称「CV セーヴェー」)」と言います。一般的に、CVはフリーフォーマットで、A4用紙1枚程度の長さで作成します。

こちらは、申請動機作文と異なり、フランス語か英語で作成します。記入する内容をいくつかご紹介いたします。

CV作成例

左上

・氏名

・生年月日と出生地

・国籍

・住所

・連絡先(電話番号・メールアドレス)

右上

・証明写真(ビザ申請の場合はなくても可)

中央(個人の連絡先と証明写真の下)

・題名(「CURRICULUM VITAE」と記入)

中央(題名下)

以下の項目順に記入

・学歴(Formations)・職歴(Expériences)

新しいものから順に記入

※学歴に関しては、最終学歴を記入する(大学または高校の在籍期間、大学または高校名、専攻または学位)

※職歴に関しては、在籍年・所属企業名と共に主な勤務内容を箇条書きで記入

・能力(Compétences)

これまでに学校や仕事で取得してきた資格や技能を記入

※語学資格やパソコン技能、運転免許など

・言語能力(Langues)

各言語名と習熟度を記入

※例:Français : lu, parlé et écrit, Niveau supérieur(フランス語:読解、会話、筆記、上級レベル);Japonais:Langue maternelle(日本語:母国語)

など

履歴書は、なるべく見やすいようにレイアウトをすることが大切です。下記にフォーマット例の検索ができるサイトを載せておきますので、ご参考としてご覧ください。

modele-cv-lettre.com:http://cv.modele-cv-lettre.com/modele-cv.php

滞在中の計画書について

滞在中の計画書もフォーマットはなく、フランス語か英語で作成することになります。A4用紙1枚に収まる範囲で簡潔にまとめましょう。

滞在中の計画を内容として記載します。志望動機書ではありませんので、活動を行う理由などを書く必要はありません。活動したい内容を時系列、またはカテゴリーごとに分けて、箇条書きで記入する形式で問題ないと考えられます。

滞在中の計画書はビザを申請する時点での計画ですので、必ず全てを実現させなければならないという厳密なものではありません。

申請動機作文の内容と一致するように記入し、あまり専門的な内容を書かないようにしましょう。また、ワーキングホリデーの条件や趣旨に沿わない内容、あまりに突飛な計画を記載することは避けたほうが良いと思われます。

計画書作成例

左上

・氏名

・生年月日と出生地

・国籍

・住所

・連絡先(電話番号・メールアドレス)

中央(個人の連絡先の下)

・題名(「Plan de pendant le séjour d’un visa vacances-travail(ワーキングホリデービザでの滞在期間計画書)」などと記入)

中央(題名の下)

・滞在計画

例①:月ごとまたは数ヶ月ごとに行う活動をまとめ、時系列ごとに箇条書きに記入

例②:カテゴリーごとに活動を分け(「語学学習」、「旅行」、「仕事(アルバイト)」など)、それぞれに活動内容を、活動予定日または期間を明らかにしながら、箇条書きで示す

など

フリーフォーマットだと、どのように記載したら良いのか、どういった内容を記載するのか迷ってしまいますよね。

しかし、フリーフォーマットだからこそ、現地で仕事を探すときに履歴書をそのまま活用出来るというのも利点の一つですね。

履歴書や滞在計画書は、英語かフランス語で記入することとされています。仕事を探す予定のある方は、上記の点からもフランス語で履歴書などを作成することをおすすめします。