フランスのワーキングホリデービザの特徴

前回の記事では、ワーキングホリデービザの取得条件をご紹介いたしました。この記事では、ワーキングホリデービザの特徴をご紹介していきます。

ビザの有効期限は1年間

ビザはフランス本国のみで有効

ビザの発給は生涯1度だけ

滞在中の身分変更や滞在期間の延長は不可

滞在期間中、生活費を賄うための就労が可能

ディプロム目的以外の就学が可能

ワーキングホリデー期間中において就学・就労期間の制限はなし

ビザの有効期限は1年間

ワーキングホリデービザには有効期限があり、フランスを含めたほとんどの国で1年間と定められています。ビザ申請の際、申請用紙に入国予定日を記入する必要があり、入国日から1年間有効となっています。

ワーキングホリデー期間の開始前に、渡航したいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。フランスでは、渡仏前に他国を経由することも認められていますが、訪問する国の滞在要件(観光ビザ等)に沿って入国することになりますので、滞在国の情報をご確認ください。

また、ビザの有効期間が始まる前に、フランスを含めたシェンゲン条約加盟国を訪問し、フランスでワーキングホリデーを行う場合は注意が必要です。

シェンゲン加盟国では、3ヶ月間ビザ不要で観光滞在が認められています。ビザ開始前にシェンゲン加盟国へ入国する場合、一度シェンゲン領域を出てから、ワーキングホリデービザの有効期間内に再度フランスへ入国する必要があります。

ワーキングホリデービザ開始後であれば、シェンゲン領域を出る必要はなく、そのままフランスへ入国することが可能です。

また、フランスで滞在を延長したい場合、一旦シェンゲン領域から出て、ワーキングホリデービザが失効してからフランスへ再入国すると、ビザなしで最長90日まで滞在できます。

ワーキングホリデービザの有効期限は1年間ですが、観光滞在を利用することで、フランスの滞在を数ヶ月追加することも理論上は可能ですね。ただし、ワーキングホリデービザは、出発日の3ヶ月前から申請が可能となります。ビザの許可が下りるまでの期間なども考えて、無理のない計画を立てるようにしましょう。

なお、ワーキングホリデーの場合、入国後に移民局(滞在許可証取得手続き)への届け出は必要ありません。

その他のビザ(観光を除く)では、入国後3ヶ月以内に手続きが必要となりますが、ワーキングホリデービザは、パスポートに貼られたビザ自体が、滞在許可証と同様の効力を持ちます。

ビザはフランス本国のみで有効

フランスは、ヨーロッパにある本国以外にも、海外県や海外領土を保有しています。しかし、フランスのワーキングホリデービザは、本国滞在しか認めていません。

ビザの発給は生涯1度だけ

当サイト別記事内「5.フランスへのワーキングホリデービザを過去に取得していないこと」でも触れていますが、ワーキングホリデービザの取得は、各ワーキングホリデー協定国につき一度ずつとなっています。

また、ワーキングホリデービザは更新や延長をすることもできません。万一、ワーキングホリデービザを紛失してしまった場合にも、再発給できませんので、取扱いには十分ご注意ください。

現地でパスポートを紛失された場合、新しいパスポートを申請する前に、現地警察へ紛失届を提出し、所定の書類を持って滞在地の県庁で臨時の滞在許可を申請してください。

前述しているとおり、ワーキングホリデービザは一度しか発給されないため、いかなる理由であっても再発給できません。ビザを紛失してしまった時点で、ワーキングホリデーでの滞在が継続不能になることも考えられます。

滞在中の身分変更や滞在期間の延長は不可

ワーキングホリデービザは、フランス滞在中にビザの種類を変更させるなどの身分変更や滞在期間の延長はできません。

ワーキングホリデー後、要件を変更して滞在許可を希望される場合には、一旦日本へ帰国し、在日フランス大使館でワーキングホリデー以外のビザを申請・取得する必要があります。

なお、ワーキングホリデービザには「入国許可証」と、1年間の「滞在許可証」としての効力があるため、学生ビザなどと違い、現地で滞在許可証を申請する必要はありません。

滞在期間中、生活費を賄うための就労が可能

ワーキングホリデービザを取得する際の条件として「仕事に就く意思があること」と明示されている通り、現地滞在中に就労できる点も魅力の一つですよね。

労働条件は、基本的にワーキングホリデーの方も、現地の方と同等です。また、現地の労働者と同様に、Sécurité sociale(フランスの社会保険)への加入も可能です。フランスの社会保険は「フランスの医療保険制度について」でもご紹介しているように、3ヶ月以上滞在される場合、社会保険へ加入することができます。自己負担の割合も、日本と同じ医療費の3割負担となっています。

通常、現地で仕事が決まったら、滞在する県の労働管理局へ労働許可証(Autorisation Provisoire de Travail)を発行してもらう必要があります。

しかし、ワーキングホリデービザを取得している場合は、一時労働許可証の申請が免除されています(2017年から)

ディプロム目的以外の就学が可能

ワーキングホリデーは、就学の自由が認められています。特に、フランスへ渡航される方の多くは、数ヶ月間語学学校に通ってフランス語を学んでいます。

ワーキングホリデーをより充実させるため、一定期間の就学を計画に組み込むのも一案です。

ただし、ワーキングホリデービザは、高等教育機関におけるディプロム(資格)の取得を目的とした就学はできない可能性が高いです。在日フランス大使館ホームページ上でも、滞在期間の大半を学業に当てたい場合は、学生ビザの申請を促す記載がされています。取得するべきビザの種類が分からない場合は、申請前に大使館のビザセクションに相談しましょう。

ワーキングホリデー期間中において就学・就労期間の制限はなし

ワーキングホリデー期間中は、フランスでの就労・就学が認められています。その期間に対する制限も、特に定められていません。ただし、前述しているように、期間の大半を学業や仕事に費やす場合、他のビザを取得するよう勧められる可能性があります。ビザの趣旨を理解し、適切な滞在計画を立てるようにしましょう。