フランス留学で高等教育金を探す場合

海外留学は外国語を習得する手段として、とても適していますね。留学をすると、コミュニケーション能力が上がり、異文化に触れることで世界観が広がります。今回はフランス留学を検討されている方向けに、留学の手引きをご紹介していきます。

■もくじ(ページ内リンク)

留学準備のスケジュール

高等教育機関を探す場合

公立大学(Universités)

グラン・ゼコール(Les grands écoles)

美術大学(Les écoles supérieures d’art)

建築大学(Les Écoles d’architecture)

高等職業専門教育学校(Les écoles et instituts spécialisés)

高等教育機関の探し方

さいごに

留学準備のスケジュール

海外留学をされる方は、ビザの申請など事務手続きに時間がかかってしまうこともあります。大学などの高等教育機関への留学は1年半ほどの準備期間があると余裕をもって対応することができます。

■1年~1年半前

留学の目的を明確にし、ご自身の目的に沿った留学計画を立てましょう。

留学説明会やカウンセリング、資料請求などで留学希望先の国や地域の教育制度、ビザなど、留学をするにあたって基本的な情報を収集

■1年前~

語学力を測る試験を受けましょう。留学の種類によっては、語学力の証明が必要となります。

入学資格を満たしている学校を絞って入学申請書類などを入手し、期限内までに必要書類を送付

■6ヶ月前~

入学許可証などの書類を受け取り、授業料の送金などを行い、滞在先を確保しましょう。

キャンパスフランスでの面接時に原本が必要となりますので、決められたフォーマットの原本を用意するよう教育機関へ依頼してください。

■4・3ヶ月前~

パスポートやビザの申請をし、航空券や海外旅行保険の手配をしましょう。

ビザの申請は3ヶ月前から可能となっており、申請には直接大使館へ出向く必要があります。長期休暇前などは予約が取りづらくなっていますので、なるべく早く準備しておくことをおすすめします。

■2ヶ月前~

手続きを完了したら徐々に荷造りを始めましょう。

必要書類が揃っているか、漏れは無いか再度チェックして留学に備え、健康に過ごしましょう。

 

一般的な海外留学という観点で大きく分けると、以下の2つのカテゴリーの留学先が挙げられます。

A.高等教育機関

B.語学学校

前述したスケジュールから考えると、フランスへ留学を希望する場合、「何のためにフランスへ留学をするのか」「どうしてその教育機関を選ぶのか」明確にする必要がありますね。

この「目的を明確にする」理由ですが、後述する留学申請の段階において、志望動機や留学計画などを求められることになるため、あらかじめ考えておかなくてはなりません。

高等教育機関を探す場合

フランスにはさまざまな高等教育機関や教育課程が存在しているが、伝統的な大学と専門的な職業教育を行うグラン・ゼコールに大きく分けられます。

フランスにはバカロレアという国家試験があります。バカロレアというのは、高等学校教育の終了を証明するもので、フランスの学生はバカロレアに合格しないと大学に入ることができないのです。しかし、2014年5月に日本とフランスは高等教育機関の協定を結んだことにより、バカロレアを取得していない留学生であっても一定の条件下で、フランスの大学 (学士課程Licence)の1年目に入学することができるようになりました。

高等教育機関の種類

フランスの高等教育は「大学」「グラン・ゼコール」「その他の高等専門学校」にて行われます。

<公立大学Universités)>

フランスの大学では私立の教育機関はあまりありません。ほとんどが公立大学で、高等教育機関の年間登録料は国が決めています。そして、フランスでは留学生とフランス人学生との区別は無いので、交付される学位や登録料も同じです。

公立の高等教育機関は国が学費の大部分を負担しているため、学生の負担が少ないのも魅力のひとつですね。

また、大学の学位はどこの大学で交付されたものでも、同じ価値を持つ国家資格です。

<参考>2015−2016年の主な登録料

学士課程(とそれに相当するコース):184ユーロ

修士課程(とそれに相当するコース):256ユーロ

博士課程(とそれに相当するコース):391ユーロ

※年間登録料の他に、学生社会保険加入料が必要

※入学条件や医学部系等の過程が特殊なコースによっては料金が異なる場合がある

※CAMPUS FRANCE発行『フランス留学ガイド 2017-2018』を参照

日本の中等教育課程(高校)を終了して、フランスの高等教育機関へ入学する場合、フランス大使館文学部を通してDAPという予備登録手続きを期限内に行う必要があります。

また、前述している通り、フランスではバカロレアに合格しないと高等教育機関へ入学することができません。留学生が高等教育機関へ入学する場合、中等教育終了+バカロレアもしくは、それに相当する資格を所持している必要があります。

フランスの公立大学には、学士(Licenceリサンス)、修士(Masterマステール)、博士(Doctoratドクトラ)課程があります。学士は3年、修士は学士取得後2年(通算5年)、博士は修士取得後3年(通算8年)の課程を修了することで、学位を取得することができます。

グラン・ゼコール(Les grands écoles)>

フランスの高等教育機関は大学以外にグラン・ゼコールが存在します。

フランスの学生がグラン・ゼコールに進む場合、まずはバカロレアの試験をパスするのはもちろんのこと、グラン・ゼコール準備級(2年)に進学をし、グランドゼコールの入学試験を受けて合格しなければなりません。また、外国人の学生も選抜試験を受けて合格しないと入学することができませんが、留学生は特別に書類選考による編入学も可能です。

グラン・ゼコールは入学志望者の選抜や入学後の過程が厳しいことで知られており、高度な専門教育を行っています。

また、修了後に得られる資格は、フランス国家学位である修士号と同等のものと認定されています。

グラン・ゼコールは主に工学系と経営学系の2つに分けられます。

工学系の高等専門学校及びグラン・ゼコール

私立と公立を合わせて250以上のグラン・ゼコールがあり、企業との連携で科学分野の実践的な教育が行われています。

エンジニア資格委員会(CTI)によって修士号相当の国家エンジニア資格が取得でき、取得後に博士課程に進学することもできます。

教育機関によって、総合的なコースがあったり、農業や化学、情報工学といった専門的なコースがあったりします。

経営学系のグラン・ゼコール

世界的にも有名なフランスの経営系グラン・ゼコール。

経営学系のグラン・ゼコールは正式に特別な認証を受けており、フランスには230校ほどの経営学系グラン・ゼコールがあります。経済情勢の変化や新しい経営の実態に即した教育を実施しており、多くの学校では海外交換留学や研修なども組み込まれています。

また、経営学系のグラン・ゼコールは大多数を私立学校が占めており、学費も高額なところが多いのが特徴です。しかし、伝統的な大学と比べてより深く実践的に経済・経営分野に特化したカリキュラムを受けることが可能であり、国際的にみても高い評価を受ける学位を取得することができます。

美術大学Les écoles supérieures d’art)>

芸術・文化の分野において、歴史的に見ても世界有数の発展国であるフランスには、公立私立多くの美術学校があります。芸術系の大学でも工芸や造形、デザインなどの専門的な分野の教育を受けることができます。美術大学へ進学するためには、選抜試験を受ける必要があり、2年~5年間修了すると学位や国家認定の資格を取得することができます。挙げればきりがない美術系の分野。美術関連を深く学びたい学生にとって、フランスでの留学はおすすめと言えますね。

建築大学Les Écoles d’architecture)>

フランスは建築系の教育機関も美術系の教育機関と同様に、高レベルな教育が行われていることで有名です。建築分野の教育はLMD方式(Licence/Master/Doctorat:学士/修士/博士)の履修課程で構成されています。

3年間の第一課程を修了すると学士相当の学位を取得でき、さらに2年間の第二課程を修了すると、修士相当の学位を取得することができます。また、そこからさらに3年間第三課程を修了すると博士相当の学位を取得することができます。

高等職業専門教育学校Les écoles et instituts spécialisés

こちらは日本で言うところの「専門学校」に当たると考えられる高等教育機関です。フランスでは専門的な知識を育成するための高等教育機関が公立・私立を問わず数多く存在します。種類も豊富で、福祉や観光、レストランやホテル業など、様々な分野で活躍するプロフェッショナルな人材の育成が行われています。

履修期間は2〜5年とコースによって異なり、入学試験もしくは、書類審査による選考で入学の合否が決まる場合が多いようです。

また、専門分野における国家認定資格や、職業資格認定委員会(CNCP)によって認可された専門資格を取得することができます。

高等教育機関の探し方

公立大学や高等職業専門学校の情報は、フランス政府留学局・日本支局(Campus France)や在籍している学校での留学情報で探すことができます。

在籍している学校で探す

現在、日本では留学や海外研修プログラムを多くの学校で設けています。留学をしたいと検討している場合は、まず在籍している学校の留学情報を集めてみるといいでしょう。

また、海外留学に関する説明会なども開催されていますので、気になっている方は積極的に参加することをおすすめします。

フランス政府留学局・日本支局(Campus France

フランス政府の公式機関で、高等教育機関への留学を促進するなどを目的としています。学生ビザを申請するためには現在、必ずこちらのセクションでの諸手続きを経なければいけません。フランスの教育機関に関する情報も収集することができます。

公式ホームページ:http://www.japon.campusfrance.org

さいごに

留学には多くの書類を提出する必要があります。必要書類の提出期限に間に合わない。などという事態にならないよう、余裕を持って準備しましょう。

また、事前に渡航先の地域についてよく調べ、危険な地域には近づかないようにするなど、トラブルに巻き込まれるリスクを減らすことが大切です。

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