【フランス留学】医療事情から考える海外旅行保険の選び方

海外へ留学をされる方は、渡航先の医療事情に対してご不安を感じる方が多いのではないでしょうか。海外の病院で治療を受けると、高額な費用が請求されてしまうという話は、よく聞ますよね。

実際に、どの程度の金額を海外旅行保険で準備すれば良いのか、決めかねている方も多いかと思います。この記事では、フランスの医療事情にも触れながら、海外旅行保険を検討するときの目安をご説明していきます。

■もくじ(ページ内リンク)

フランスの医療事情

フランスの公的医療保険加入対象者

3ヶ月未満の滞在

3ヶ月以上の滞在

さいごに

フランスの医療事情

当サイト「フランスの医療保険制度について」で解説しているように、フランスは日本と同じく、国民皆保険制度を採っています。

この制度のおかげで、公的医療保険に加入すれば、医療機関を受診する場合、保険適用を受けることができるのです。医療費も3割負担となっているため、本来かかっている「総医療費」の3割だけご自身が負担すれば良いことになっています。医療費の負担割合も日本と似ていますね。

また、フランスでは医療行為や処方箋を出された薬の購入の他、めがねの購入も年1回までは保険の適用を受けることができます。保険適用の金額でめがねが購入できるとは、うらやましいですね!

フランスの公的医療保険に加入できるのであれば、加入したいという方が多いと思いますが、どういった方が対象となるのでしょうか。

フランスの公的医療保険加入対象者

フランスの公的医療保険は、3ヶ月以上フランスに滞在される方であれば、加入することができます。つまり、滞在期間によって、海外旅行保険の選び方も変わってくることになりますね。

フランスでは、所定の条件を満たした28歳以下の学生は「学生用の基礎医療保険」29歳以上の方は「基礎医療保険」に加入することができます。

フランスの医療保険制度は2階式になっていますので、ベースとなる1階部分の「基礎医療保険」に加入し、さらに2階部分の「Mutuelle」という任意保険に加入することで、ベースとなる医療保険ではカバーしきれなかった医療費を賄うことができるのです。

しかし、日本と違いフランスでは、基本的に「総医療費」を一旦ご自身で立て替える必要があります。もちろん後日、自己負担額を除いた金額が払い戻されますが、一時的だとしても全額を支払う必要があるというのは、金銭的にも精神的にも負担が大きいですよね。また、「Cart Vital」という健康保険カードが手元に届くまで、3ヶ月程度かかると言われています。こういった事情も加味した上で、海外旅行保険を検討すると良いでしょう。

3ヶ月未満の滞在

フランスへの滞在期間が3ヶ月未満の方は、公的医療保険に加入することができません。必ず海外旅行保険に加入してから渡航しましょう。

海外旅行保険は「旅行を目的としてご自宅を出発した日から、帰宅する日まで」を保険期間として設定します。日本から出国してしまうと、保険に加入することができなくなってしまいますので、ご注意くださいね。

ここで気になってくるのは、加入する保険の補償内容と金額ですよね。まずは、フランスの医療事情について確認しましょう。

医療費は、基本的に医療水準と比例します。つまり、医療水準が高くなれば、その分医療費も高額になる傾向にあります。

海外旅行保険比較サイトi保険内の「世界の医療事情」では、フランスに滞在中、虫垂炎で3日程度入院した場合、公立病院では約48万円の費用がかかるとされています。

これほどの金額が必要となると、大きな痛手になってしまいます。では、海外旅行保険へ加入する際、補償金額をどの程度設定すれば良いのか気になりますよね。

海外で治療を受けたときに備える補償は「治療・救援費用」にあたります。救援費用は、搬送費用や捜索費用、ご自身が3日以上入院してしまったときに、ご家族様を現地に呼び寄せる費用などが対象となります。

医療費用は、治療の内容によって大きく金額が変わります。現地で車を運転する可能性のある方は、支払い限度額無制限のタイプに加入するなど、ご自身の状況に応じて、負担にならない保険料を検討しながら決めましょう。

なお、インターネット割引が適用になる保険会社もあるため、割安な保険料でご契約頂くことも可能です。また、インターネット契約は、クレジットカードの決済ができ次第、契約完了となるため、出発当日までご契約いただけます。渡航までに時間のない方はインターネット契約をおすすめします。

海外旅行保険をご検討の方は、海外旅行保険比較サイト(3ヶ月未満)のページをご覧ください。「渡航期間、渡航目的、渡航先、人数」を選択すると、さまざま保険会社のプランを比較検討することができます。

3ヶ月以上の滞在

先述した通り、渡航期間が3ヶ月以上になる場合は、フランスの公的医療保険に加入することができます。公的医療保険に加入すると、3割負担で治療を受けることができますので、対象となる場合は加入しておきたいですね。

利用者にとってメリットが多いフランスの公的医療保険ですが、デメリットもあります。

フランスでは事務手続きに時間がかかるケースが多く、健康保険カード(Cart Vital)が手元に届くまでに3ヶ月程度かかってしまいます。また、総医療費を一旦窓口で立て替えて、その後に払い戻しを受けるという流れが一般的です。

その他にも、保険が適用されるとはいえ、入院が必要になる治療を受けることになれば、保険で備えておかないと金銭的負担は大きくなってしまいますよね。

特に、留学中は収入の確保が難しいため、万一のことがあった時は、海外旅行保険で備えておくと安心です。

海外旅行保険は、ご出発の日からご帰宅の日までを保険期間として設定する必要があります。しかし、長期間渡航される場合、保険期間が長くなるため、海外旅行保険に加入すると、支払う保険料も上がってしまいますよね。出費はなるべく抑えたいという方がほとんどかと思いますが、どうすれば、保険料を抑えることができるのでしょうか。

フランスの公的医療保険に加入される場合、治療に関する費用は保険適用となるため、海外旅行保険の「治療・救援費用」を無制限に設定する必要はないと思われます。

「治療・救援費用」医療機関で治療を受けたときの費用が対象となり、救援費用では、搬送費用や捜索費用、ご自身が3日以上入院してしまったときに、ご家族様を現地に呼び寄せる費用などが補償の対象となります。

ご家族様が現地に渡航する費用は、公的医療保険で賄われることはありません。また、こういった費用は、間近になって予約をするケースが多いため、チケット代などが高額になってしまう傾向にあります。こういった費用が補償されると、いざという時、とても助かりますよね。

また、海外旅行保険では、キャッシュレスメディカルサービスを利用することができるため、窓口で医療費を支払う必要がありません。さらに、アクシデントが発生したときは、サポートデスクへ連絡すると、いつでも日本語で対応してもらえます。

慣れない海外でアクシデントが発生すると、思った以上に慌ててしまうもの。そういった非常時に日本語で対応してもらえるというのは、とても心強いですよね。

まずは、どういったプランが用意されているのか確認してみてください。海外旅行保険比較サイトi保険では「渡航期間、渡航目的、人数、渡航先」を選択して検索すると、さまざまな保険会社のプランが提示されます。

3ヶ月以上の長期渡航をされる方は郵送での書面契約が多くなりますので、少なくともご出発の10日前には申し込み手続きを開始するようにしましょう。保険会社によっては、留学やワーキングホリデーの場合、1年間までインターネット契約ができますので、出発間近の方は一度相談してみるといいでしょう。

海外旅行保険比較サイトi保険の使い方はフランス留学での海外旅行保険の選び方【i保険の上手な使い方】をご参照ください。

長期間渡航される場合、ご自身でアパートなどを借りて生活する方もいらっしゃるかと思います。海外旅行保険には、「留学生賠償責任」や「留学生生活用動産」といった長期滞在される留学生、ワーキングホリデー渡航者用の補償が用意されており、こちらは、通常の個人賠償責任や携行品損害に該当するものです。

「留学生賠償責任」「個人賠償責任(長期用)」は、相手にケガをさせてしまった際や、お店の商品を壊してしまったときなど、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償の対象となります。また、通常の個人賠償責任では補償されない、アパートなど借りている部屋を水浸しにしてしまったときも、法律上の損害賠償責任を負った場合は、補償の対象となります。

「留学生生活用動産」「生活用動産(長期用)」は、手荷物が盗まれてしまったときなどに補償の対象となるのはもちろんのこと、通常の携行品損害では補償されないアパートなどに置いていた私物が盗難などに遭った際も補償の対象となります。

長期間の留学やワーキングホリデーでは、宿泊施設以外に滞在される方も多いと思います。そういった方にとっては、こういった留学生、ワーキングホリデー渡航者専用の補償が付いている保険に加入しておくと、安心ですね。

さいごに

色々な保険会社から多様なプランが出ていますが、ご自身の滞在する地域や留学期間、滞在する施設などによって必要な補償や金額は異なります。当記事でご紹介した情報を、検討する際の一つの目安にしていただけると幸いです。