フランス留学の際に海外旅行保険に加入する

フランスの医療保険は2階式になっているため、基礎的な医療保険と補足的な医療保険、両方に加入すれば、ご自身が負担する医療費を抑えることができます。しかし、海外旅行保険に加入する必要がない、というわけではありません。海外旅行保険は「海外渡航時に万一のことがあった時」を想定して作られた保険ですので、公的な医療保険では対象とならない事象に対しても、海外旅行保険で備えることができます。

この記事では海外旅行保険を選ぶ際のポイントをご紹介していきます。

■もくじ(ページ内リンク)

海外旅行保険を選ぶにあたって考慮すべきポイント

フランス留学にあたって検討したい海外旅行保険の補償項目

<死亡の補償>

<傷害後遺障害>

<治療費用>

<救援者費用>

<個人賠償責任補償>

<旅行携行品損害と航空機遅延費用>

さいごに

 海外旅行保険を選ぶにあたって考慮すべきポイント

■盗難や損害賠償などに備えることができる

海外旅行保険では、治療に関する補償はもちろんのこと、公的医療保険では対象とならない手荷物の盗難や、法律上の賠償責任を負ってしまったときにも備えることができます。

■各種手続きが日本語でできる(ネット契約も充実、迅速な対応可能)

契約や保険金請求などを外国語で行うのは、とても大変ですよね。日本語でスピーディーにさまざまな手続きを行うことができます。

■かかりつけ医を気にせず受診できる

■キャッシュレスサービスを受けることができる(医療費の立て替えが不要)

■いつでも日本語でのサポートサービスを受けることができる (必要な場合は病院の手配や、通訳サービスも可能)

■高額になりがちな医療費に備えることができる

など

このように、海外旅行保険へ加入することで、医療行為以外での補償に備えることができます。フランスは医療保障が充実していますが、海外旅行保険にも併せて加入しておくと万一の時は安心です。

フランス留学にあたって検討したい海外旅行保険の補償項目

慣れない海外では、思わぬ事態が起こることも考えられます。渡航期間が長ければ長いほど、滞在地で何らかのアクシデントが起こるリスクも高くなります。万一の時に備えて「保険」というお守りに加入しておくと、安心ですね。

<死亡の補償>

「疾病死亡」と「傷害死亡」があり、旅行行程中に発症した病気やケガが原因で、一定期間中に死亡した場合が保障の対象となります。

あまり考えたくは無いですが、死亡保険金はご遺族に支払われるものです。扶養しなくてはならないご家族がいない方は、保険金額を低く設定される方も多くいらっしゃいます。ご自身の状況に応じて、設定しましょう。

<傷害後遺障害>

傷害後遺障害の特約をセットすると、旅行行程中の事故が原因で後遺障害が生じた場合、保険金が支払われます。後遺障害とは、事故が原因でケガをし、今後そのケガの回復が見込めないなどの状態を言います。

重い障害が残ってしまったときに備えて、こちらの項目が含まれる保険を検討してみるのも良いですね。

<治療費用>

旅行行程中に急なケガや病気で医療機関を受診することは、十分考えられますよね。渡航の期間が長ければ長いほど、そのリスクは高くなります。

現在、3ヶ月以上フランスに滞在する28歳以下の留学生は、フランスのSécurité socialeへ加入が義務付けられています(フランス滞在期間等条件あり)。また、29歳以上であれば、CMUといった基礎医療保険の加入が必要となります。医療費の自己負担分は日本と似ていますが、医療費の水準が高いため、高額になる可能性があります。

Mutuelleに未加入の場合、入通院や検査、手術などがかさめば、留学生自身の支払額は重くのしかかってきます。こうした際に海外旅行保険へ加入しておくと、大きなサポートとなることは間違いないでしょう。

一方で、Mutuelleに加入すれば、医療費に関して問題なく過ごせるでしょうが、手続きは全てフランス語で行う必要があることなど、留学生にとってはストレスを感じることも多いと推測されます。海外旅行保険に加入しておけば、日本語の対応も受けられますので、スムーズに手続きを行うことが可能です。

また、保険会社へ事前に連絡し、提携病院で診療を受けると、キャッシュレスサービスを利用することができます。ご自身で医療費を立て替える必要が無いので、お金の心配をせずに治療を受けることができますね。

<救援者費用>

保険会社によっては【治療・救援費用】として、治療の費用とまとめている場合もあります。

フランスでは、緊急時や通院時における患者自身の移送費用(救急車、介護タクシーなど)に関しては、Sécurité socialeにて費用を補えます。しかし、緊急時に日本から家族を呼ぶ際の費用や宿泊費、ケガ・病気などでフランスから国外(日本)へ移送するための費用は保険適用外となります。

実は、治療に掛かる費用よりも移送に掛かる費用の方が高くなるケースが多いため、こちらも優先的に検討したい補償項目と言えます。保険料は高くなりますが、保険会社やプランによっては無制限の治療・救援費用を選ぶことも可能です。治療費用や救援者費用は、その国の医療水準を一つの目安として選択することをおすすめします。

<個人賠償責任>

留学生の場合、必ず賠償責任の補償が付帯された保険に加入しなくてはならないこともあります(学校や留学期間等により例外あり)。個人賠償責任は、相手にけがをさせてしまった際や出先でお店の商品を壊してしまったときなどで、法律上の賠償責任を負った場合、補償の対象となります。

日常生活を送っている上で他人に損害を与えてしまい、法律上の賠償責任を負った際に適用されるということですね。

なお、留学生用の個人賠償責任をセットすると、通常の個人賠償責任では補償の範囲外になってしまうアパートや寮の部屋を水浸しにしてしまったときも、補償の対象となります。長期間滞在される方にとっては、こういった補償が付いていると安心ですよね。現地の保険と違って、日本の保険会社であれば日本語で相談できるため、手続きもスムーズに進みます。

<携行品損害と航空機遅延費用>

携行品損害は、渡航先で手荷物が盗まれる、壊れる、火災などの偶然な事故で損害を受けるなどした場合に、補償を受けられるというものです。また、留学生用の携行品損害をセットすると、手荷物だけではなく、アパートなどに置いていた私物が盗難などに遭った際も補償の対象となります。

航空機遅延費用は、航空機が一定時間以上の遅延や欠航、運休があった際などに、宿泊費用や緊急連絡の通信費用等が補償されるというものです。よく間違えられますが、チケット代を補償するものではありません。あくまで、予定していた航空機が遅れるなどにより発生した費用を補償するという内容です。どちらも、旅行者ならではの補償内容と言えますね。

さいごに

公的医療保険では賄うことのできない補償を、海外旅行保険で備えることができます。2017年現在、フランスの学生ビザ取得のために海外旅行保険へ加入する義務はありません(以前は学生ビザの場合には加入が必要であった)。その代り、現地の医療保険に加入しなければならないわけですが、日本人渡航者にとって様々な要因からSécurité socialeだけでは不安な部分が考えられます。

ご自身の判断にはなりますが、海外旅行保険も考慮に入れて、万一の時に安心して楽しい留学生活が送れるように準備しましょう。

ちなみに、Sécurité socialeに加入することができない留学生(短期語学留学生など)は、所属する教育機関から医療費用などをカバーできる保険の加入を義務付けられる可能性があります。その際は、各保険会社のプランをよく検討した上で、保険へ加入するようにしたいものですね。

海外旅行保険比較サイトi保険 留学保険ページでは、留学生のための保険をご提案しています。世界の医療事情や、高額な保険金の支払い例などの各種お役立ち情報もご確認いただけますので、ご興味をお持ちの方はご覧ください。