フランス留学の際の住居の探し方や決め方

学生ビザの申請手続きが済んだら、もう一踏ん張りですね。学生ビザの申請と並行して、または学生ビザの申請が済んだら、渡仏の準備を進めましょう。旅の準備はいつも心躍りますが、長期の留学ともなれば、さらに胸が高まりますね。同時に、フランスへ滞在するのが初めてという方は特に、緊張やフランスでの生活に不安を覚えることも少なくないと思います。そのような心配事を少しでも和らげ、落ち着いてフランス留学に臨むために、ここでは出発前に準備しておきたいものをご紹介いたします。

■もくじ(ページ内リンク)

フランスでの住居を探す・決める

大学関連の学生寮に住む

民間によって運営される学生寮を探す・住む

不動産会社を通じて部屋を探す・借りる

大家さんと直接連絡をとりながら部屋を探す・借りる

ルームシェアをする

ホームステイをする

フランスでの住居を探す・決める

充実したフランス留学を送るためには、落ち着いて過ごせる場所を確保したいものですよね。もちろんホテルという手段もありますが、滞在が長くなるにつれて費用がかさんでしまうことや、落ち着いた環境が得られないこともあります。

勉強に集中し、また現地の仲間とじっくり交流を深めるためにも、やはり決まった住居に腰を据えて留学に臨むことをおすすめいたします。

大学関連の学生寮に住む

フランスには大学敷地内や街中に学生寮があります。中でもパリ14区にはフランスの高等教育を受ける学生のために、国際大学都市と呼ばれる学生寮群が建てられています。各国からの留学生はもちろんのこと、フランス人の学生も多く入寮しています。ちなみにグランゼコールや私立の教育機関の場合、キャンパス内に寮を併設しているところもあります。学生寮に滞在することができれば、交友関係を広げやすくなりますね。

奨学金の受給者(フランス政府給費留学生など)や交換留学生には、優先的に入寮の資格が割り当てられますが、部屋の空き具合によっては入寮のチャンスもあるかと思います。興味がある方は留学先の教育機関や、ご自身が所属している日本の学校等に問い合わせてみてくださいね。部屋数には限りがありますので、早めの相談をおすすめします。

民間によって運営される学生寮を探す・住む

パリを中心とした大都市や、大学などの教育機関が集中する街には、民間で運営している学生寮もあります。大学関連の学生寮だけでは、入寮を希望するすべての学生に対応することが難しいため、民間の学生寮も積極的に活用されています。寮ごとに付随しているサービスや物件の状態は大きく異なります。家賃は一般のアパートと同じくらいの価格に設定されているところもあるため、大学関連の寮に比べて割高になってしまいます。

家賃の相場は管理している団体によって異なります。

■CROUS(公的機関)管理の学生寮 月120~350ユーロ

■グランゼコールや私立の教育機関管理の学生寮 月250~350ユーロ

■民間の学生用住居 地域によって異なる

パリでは600〜700ユーロ

その他地域では400〜700ユーロ

民間の学生寮は場所によって家賃の相場にかなり差があることが分かりますね。利用する場合は、よく下調べをして負担の少ない寮を探す必要があります。

また、入寮するためには保証金が必要となります。初期費用の負担は大きくなってしまいますね。詳しくは別の記事でもご紹介しますが、フランスへ留学したら口座を開設しておくと便利です。

なお、フランス国内在住の保証人が必要な場合がありますが、保証人がいない場合は、一年分の家賃を前払いすれば対応できる可能性があります。その他にも入居料を求められることもあります。また、契約期間は基本的に9~12ヶ月となっており、短期での賃貸を希望の場合は相談をする必要があります。

契約時に求められる条件は、日本で住宅を借りるときと似たような内容が多いですね。学生寮には、エントランスなどに監視カメラが付いているところもあり、安全面でも魅力的です。また、高等教育機関の近くに建てられていることが多いので、安心して通学することができます。

学生同士の生活になりますので、さまざまな学生とコミュニケーションを取って、交友関係を広げたいものです。

住まいの探し方について、CROUS管理の学生寮や教育機関が管理している寮の場合は、フランス渡航前に予約をすることもできます。ただし、交換留学生やフラン政府給費留学生が優先されますので、希望が通らないこともあります。部屋数もそれほど多くないため、競争率も高いです。なるべく早めに手続きをしておくことをおすすめします。

不動産会社を通じて部屋を探す・借りる

民間の不動産会社を通じて部屋を賃貸借する方法もあり、探し方は大きく3つに分けられます。ただし、現地に着いて一から探すのは大変ですので、基本的には日本にいる間に、インターネットサイトなどを利用して寮を探すようにしましょう。

1.街中に点在する不動産会社に張り出される空き部屋の情報を見る

2.各地のCROUS(またはCNOUS)不動産会社等のホームページから情報を検索

3.街中の空き部屋の窓や張り出しの広告などから探す

1と2は一般的な方法ですが、3に関しては「フランスらしい」と言えるのではないでしょうか。フランスでは、街を歩いていると頻繁に「A LOUER」と書かれた看板を目にします。その看板には不動産会社の電話番号が記されていますので、気になるところがあればすぐに電話しましょう。

不動産会社を通じてやりとりする場合、手数料や諸々の保証金(Cautions)が課されます。日本と同様ですね。また、フランス在住の保証人を立てる際は家賃に対して3倍の月収があるという証明書類を提示する必要があります。

フランス在住の保証人を立てるというのは、かなりハードルが高いですよね。保証人を立てる以外には、両親に送金証明書を書いてもらう方法か銀行保証をする方法があります。

銀行保証というのは、家賃1年分相当の元本保証(リスクが低いもの)がされた金融商品を購入し、購入した商品を担保として銀行が貸主に家賃を保証する方法です。もっとも信用性が高いので、銀行保証があれば賃貸契約を断られることはまずありません。

 大家さんと直接連絡をとりながら部屋を探す・借りる

不動産業者を仲介せず、個人同士でのやり取りをご希望の場合は、物件を紹介しているサイト内や広告冊子、掲示板などに張り出されている看板の中から「Particulier(パルティキュリエ)」と表示されている物件を探します。

興味のある物件が見つかったら、まずは連絡をして内覧をさせてもらいましょう。大家さんと直接コミュニケーションを契約の段階から取ることができる点は大きな魅力です。契約の前段階で大家さんに希望を伝えることができます。

しかし、不動産会社を介する場合も同様ですが、留学生自身で交渉するためには、ある程度語学力がないと契約を結ぶことは難しいです。

また、交渉の初めから大家さんと対峙する必要があるという点も、少し勇気のいる点ですね。大家さんがどのような人であるのかわからない状態から話を進めなくてはいけないというのは、特にフランスへの長期滞在が初めての場合にはなかなか難しいことかもしれません。ネイティブと問題なく会話ができる知人がフランスに住んでいる方は、協力をお願いしておくとスムーズに話を進められるでしょう。

 ルームシェアをする

最近、日本でもシェアハウスが若い人の間で人気出てきていますよね。フランスでは昔から、ルームシェアはごく普通に行われており、フランス語で「Collocation:コロカシオン」といいます。

同じ住居で生活を共にしますので、シェアメイトとの交友関係を、学生寮などに比べてより深めることができるでしょう。また、複数人で生活するため、家賃を含めた生活費を抑えることができる可能性も高まります。特にパリなどの物価が高い都市では、生活費問題を解決する一つの手段となり得ることでしょう。

しかし、限られた空間の中で生活を共にするのは交友関係を深めることができる反面、シェアに慣れていない留学生にとっては、共同生活に息苦しさを覚える方もいらっしゃいます。ご自身の性格や留学の目的などを総合的に考慮して検討しましょう。契約に関しては、基本的に住居をシェアする全員が大家さんと賃貸借契約を交わし、多くは何かあった場合に連帯責任を負う旨の条項が含まれていることがあります。住宅補助を申請する場合、賃貸借契約書に各人の名前が記されていることが重要になってきます。

ルームシェアを斡旋している会社のサイトや、インターネット上の日本人向けフランス情報サイトの掲示板などでルームシェアの情報を探すことができます。

留学先の高等教育機関の掲示板、または街中の掲示板にも募集が出ていることがあります。ルームシェアでは戸惑うことも多いと思いますが、他国の方と暮らすことで、語学が上達すること、文化や生活面で新たな発見ができるのはメリットと言えますね。

ホームステイをする

留学生を受け入れている個人宅が、大学のある都市とその近郊には多く存在しています。ホームステイは個人宅の部屋を間借りすることになりますので、家具付きです。各家庭のルールがありますので、家主の指示があれば、そちらに従うようにしましょう。なお、食事は朝食のみがついているタイプや、朝食・夕食がついているタイプなど様々あります。

相場としては、200〜300ユーロ/週、が平均の家賃と言われており、地方に行くと安くなる傾向にあります。しかし、部屋を提供する家庭によっても条件は大きく異なります。

現地に住むフランス人の家庭で生活できることや、フランス語を日常的に使えること、生きた文化に触れることができる点は、メリットといえますね。また、異国での生活を始めるにあたって、誰かのサポートを受けられる環境はとても安心感があります。

しかし、他人の家で生活することになるため、家庭環境はさまざまです。ホームステイ先のホストファミリーと合わないこともありますし、留学生への接し方もホームステイ先によって全く違ってきます。

ホストファミリーの情報を事前に確認し、ご自身の負担にならないような環境を選べるように、少しでも疑問があれば質問するようにしましょう。動物アレルギーがある場合には、ペットの有無も確認すべき事項です。食事に関しても、アレルギーで食べられないものなどは事前に伝えておくようにしましょう。

ホームステイを斡旋しているサイトを参考までに載せていますので、ご関心をお持ちの方はご覧ください。留学斡旋を行っている企業が、ホームステイの紹介をしている場合もありますが、手数料などがつく場合があります。住むところを探すときには、紹介元やホストファミリーが提示している情報を踏まえて、しっかりご検討ください。