フランス留学終了時の手続きについて

留学するにあたって、さまざまな手続きを行ってきたと思います。留学を終え、日本へ帰国する際にも手続きが必要となります。この記事では、留学終了時に必要となってくる手続きとその方法についてご紹介いたします。

■もくじ(ページ内リンク)

フランス医療保険を解約する

銀行口座を閉じる

帰国届の提出

退職する(仕事をしていた場合)

携帯電話を解約する

郵便の転送

フランス医療保険を解約する

28歳以下の長期留学生の場合、教育機関登録時にSécurité sociale des étudiants(学生用の医療保険)やMutuelleに加入をしているかと思います。

29歳以上の長期留学生やフランスでお仕事をしている留学生は、CMU(普遍的医療保障)を含めた一般対象のSécurité sociale(社会保険)やMutuelle(任意保険)。帰国される場合は、これらも解約しなくてはなりません。

手続きを行わない場合、帰国後も1年ごとに自動更新されてしまいます。

Sécurité socialeの解約は、保険有効期限日に適用されます。つまり、Sécurité sociale des étudiants及びそのMutuelleの保険期間は、登録年の9月から1年間ですので、登録翌年の8月末が期限ということになりますね。

一般対象の医療保険の適用期間は、通常その年の1月1日から年末まで。12月31日が期限となりますので、ご注意ください。

解約のためには、基本的に2~3ヶ月前に解約申請書(Préavis)を、Sécurité sociale des étudiantsを扱う管轄の学生共済保健センター(LMDE、Smerepなど)、または所管のAssurance maladie事務所へ送付する必要があります。必ず書留で郵送しましょう。以下のサイトに解約申請書例がありますので、作成時の参考にしてください。

http://www.lettre-utile.fr/lettre-de-resiliation/mutuelle/lettre-resiliation-mutuelle-lmde/(LETTRE UTILE ”Lettre de résiliation Mutuelle (LMDE)”)

※Sécurité sociale des étudiantsを扱う保健センターや加入するSécurité socialeの種類によって、手続き方法が異なります。必ず、ご自身で各事務所に問い合わせ、手続きを進めましょう。

銀行口座を閉じる

公共料金の引き落としやショッピングなど、フランスで生活する場合、ほとんどの方が銀行口座を利用されたのではないでしょうか。帰国時、フランスの銀行口座を閉鎖する義務はありません。

しかし、フランスの銀行は口座維持費がかかるため、一時帰国以外は閉鎖しておいた方が良いと考えられます。口座の使用がなくても、預金不足を避けるために口座の管理が求められるのです。月々数ユーロですが、負担であることに変わりありません。当面口座を使用する予定がなければ、口座を閉めておいた方が安心といえるでしょう。

フランスには複数の銀行が存在し、手続き方法はそれぞれ異なります。この記事では、一般的な解約方法をご紹介いたします。

「Lettre de demande de résiliation」という口座閉鎖の依頼書を各自で作成し、閉鎖したい口座の銀行へ送付します。銀行から口座閉鎖の了承が得られた後、銀行のキャッシュカードや小切手といった閉鎖する口座で取引できる手段を、すべて銀行に返却することで手続きが完了します。

ただし、口座閉鎖時にご自身の口座預金をすべて出しておきましょう。お金が残っているようであれば、他の口座へ振り込むよう銀行に依頼してください。

また、様々な費用(家賃・光熱費等)の支払に口座振替を利用していた留学生も多いと思いますが、支払がすべて終了する日以降に口座を閉鎖するよう調整しましょう。

帰国後に引き落としがある、または敷金の返金がある場合など、帰国後の口座閉鎖手続きに対応してもらえるよう、相談し、指示を仰いでください。

その他、銀行口座閉鎖には、閉鎖希望日の一定期間前に書面で届け出をする必要があります。この期間については、各自銀行に問い合わせください。口座閉鎖日は、「Lettre de demande de résiliation」が受け付けられた日から、所定の期間を置いた後ということになります。

届け出書面の記入例は、以下のサイトを参考にしてください。

http://www.modele-lettre-type.com/resiliation/lettre-resiliation-compte.php (modèle-lettre-type.com ’‘Demande de résiliation de son compte bancaire’’)

※手続きの詳細は、各銀行に問い合わせることをおすすめします。

帰国届の提出

渡仏した際に、在仏日本大使館や各地域の総領事館へ在留届を提出したかと思います。こちらも、帰国の場合には所定の届け出をする必要があります。帰国届の手続きを行わないと、万一、緊急事態がフランスで起こった時など、すでに帰国している留学生の身元確認に支障をきたす可能性もあります。

届け出は、所定の「帰国届」用紙に必要事項を記入し、最寄りの日本大使館や領事館に提出する、ないしは在留届電子システム(ORRnet)にて行います。前者は、ORRnetを使わずに在留届を提出した場合の方法です。ORRnetを介して在留届を出したのであれば、帰国届も後者を利用して行ってください。

前者の場合の届け出用紙は、日本大使館や各領事館で入手可能です。または、日本大使館のホームページからもダウンロードできます。郵送、FAX、または直接在外公館に持参する形で提出できますので、忘れずに連絡するようにしましょう。

・在フランス日本国大使館ホームページ http://www.fr.emb-japan.go.jp/jp/annai/zairyutodoke.html

退職する(仕事をしていた場合)

長期滞在(6ヶ月以上)の学生ビザで渡仏した留学生には、フランスの法定労働時間の60%を限度として、滞在中の就労が認められていましたね。この制度を活用して、現地で学業をしつつ、お仕事をされていた方もいらっしゃるかと思います。CDDという雇用期間が限定されている契約の場合、その期間を終える時点で双方に契約延長の意思がなければ、契約は満了。留学生側から退職の届け出をする必要はありません(期間途中で退職を希望するのであれば、届け出は必要)。一方、CDIという雇用期限が定められていない契約で就労されている場合、勤務先に退職の意思を示さなければなりません。

「退職願(Lettre de démission)」のご自身のサインをした上で、雇用主に提出します。その書面に雇用主からサインをもらい、手続きが完了します。

退職願の内容は、退職理由をフランス語で明確に論理立てて書くようにしましょう。また、自分用と雇用主へ提出用の2通を、念のために作成しておくと安心です。フォーマット例が以下のサイトに掲載されていますので、参考にしてください。

http://www.lettre-de-demission.net/modele-lettre-demission.php (lettre-de-démission.net  ”Modèle de lettre de démission’’)

携帯電話を解約する

フランスの携帯電話会社は、日本と同様に複数社あります。各社で解約手続きの違いが考えられますので、ご自身が契約している携帯電話会社に確認しながら進めてください。ここでは一例として、筆者の経験とその他の情報を総括した解約手順を挙げておきます。

契約している携帯電話会社のサービスセンターへ、ご自身の携帯電話を使って連絡し、担当オペレーターに解約したい旨を伝えます。

個人情報(氏名、生年月日等)や解約理由、解約希望日などの質問に答えてください。この連絡のみで了承される場合は、以上で手続き完了となります。

しかし、フランスでは手続きをされる際、基本的に書類が必要となります。電話連絡だけでは不十分なため、「Lettre de résiliation(解約届)」の提出を求められることが考えられます。

その際は、各自で解約届を作成し、契約している携帯電話会社に送付しましょう。「Lettre de résiliation」の作成例は以下のサイトを参照してください。

http://www.modele-lettre-type.com/resiliation/lettre-resiliation-abonnement-mobile.php (modèle-lettre-type.com ‘’Résilier un abonnement auprès d’un opérateur detéléphonie mobile’’)

文書送付後に解約了承とその他の指示連絡がある場合には、そちらを確認してください。書面が送られてこないようであれば、手続きが完了したかを、電話やメールで各社に確認することをおすすめします。

※届け出から解約希望日までの「Préavis」期間は、各電話会社によって異なりますので、契約書を確認、または各社に問い合わせください。

※解約届を郵送する際には、必ず書留で送付するようにしましょう。

※契約形態によっては、解約時に違約金が発生する場合があります。しかし、帰国の場合にはやむを得ないということで違約金が免除されることもあるようです。詳細は各携帯電話会社に問い合わせください。

※プリペイド型の携帯電話を使用している場合には、特に解約の手続きは必要ありません。

郵便の転送

フランスの郵便局では、フランス国内から海外へ転出する際に、転出先へ郵便の転送を行っています。有料にはなりますが、依頼をしておくと何かと便利です。

帰国後に契約終了の通知や最後の電気料金の明細などがフランスの住所に送られてくる場合にも、日本の新住所まで転送してもらえるのです。

郵便物転送の依頼は、フランスの郵便局(La poste)窓口かLa posteのホームページから行えます。料金は、6ヶ月間で78ユーロ、または12ヶ月間で135ユーロ(2017年7月現在)。詳しくは、以下のLa posteホームページを確認ください。

https://boutique.laposte.fr/reexpedition-garde-de-courrier/reexpedition-definitive-internationale (La posteホームページ、’’ Réexpédition définitive internationale’’)