インドネシアの生活情報や医療事情

インドネシアの基礎知識

名称 インドネシア共和国 日本国(ご参考)
面積 189万㎢ 37万8,000㎢
人口 2億6,399万人(2017年、国連推計) 1億2,659万人
首都 ジャカルタ 東京(人口1,383.2万人)
通貨
(2019年8月)
ルピア
(1ルピア=約0.0074円)

(1米ドル=約106.42円)
時差 -2時間
言語 インドネシア語 アルタイ語系の日本語
民族 大半がマレー系(ジャワ、スンダ等約300種族) アジア人種の日本民族・朝鮮人・中国人・北海道に少数のアイヌ人
宗教 イスラム教87.21%、キリスト教9.87%(プロテスタント6.96%、カトリック2.91%)、ヒンズー教1.69%、仏教0.72%、儒教0.05%、その他0.50% 仏教・神道・キリスト教
気候 典型的な熱帯性気候。4~9月にかけては南西から吹いてくる季節風の影響で乾期、10~3月までは北東からの季節風によって雨季、12~1月は降雨量が最も多い。 南部は温帯気候、北部は冷帯気候。モンスーンの影響が強く、6~8月は南東モンスーンにより多量の雨がもたらされる。11~3月は大陸からの北西モンスーンにより、北部は厳しい寒さとなり、日本海に面した地域には多量の雪が降る。
代表的な
都市の気温
ジャカルタ:
26.4℃(1月)
27.5℃(7月)
(平均気温)
東京:
0℃/9℃(1月)
22℃/29℃(7月)
(最低気温/最高気温)
電化製品
電圧:
220V
プラグタイプ:
B、C
電圧:
100V
プラグタイプ:
A
在留邦人数 19,717人(2017年10月現在)

出国・入国するときの注意事項

下記は2019年8月現在の情報です。最新情報については、外務省・駐日インドネシア大使館等のウェブサイトを参照してください。

査証(ビザ)

インドネシアへの入国にあたっては、下記「インドネシアへの査証免除による入国について」および「到着ビザ制度(VOA:VISA on Arrival)について」に該当する場合を除き、事前に各国にあるインドネシアの大使館もしくは総領事館で入国査証を取得する必要があります。
また、インドネシアへの入国にあたっては、パスポートの残存有効期間が6か月以上、かつ十分な査証空欄ページ(3ページ程度)が必要です。

手続きや規則等に関する最新の情報については、駐日インドネシア大使館(電話:03-3441-4201)または在大阪インドネシア総領事館(電話:06-6252-9826)等にお問い合わせください。

インドネシアへの査証免除による入国について

日本の一般旅券所持者は観光、親族訪問等の目的で30日間以内の滞在に限り、事前にビザを取得することなくインドネシアへの入国が可能です。この制度はインドネシアの主要な空港・港で適用されます。概要は以下のとおりですが、詳しくは、空港等職員の指示に従ってください。

  • 全ての日本の一般旅券所持者が対象です(IC旅券に限定されません)。
  • インドネシアでの滞在期間は30日まで(入国日も含む)。延長はできません。
  • 観光、親族訪問、社会文化訪問、講義・セミナー等への参加等の9項目のみです(※商談は不可)。
  • 査証免除で入国した場合、「VISA EXEMPTION」と記載のある入国印が押印されます。

到着ビザ制度(VOA:VISA on Arrival)

滞在期間が31日を超える上記査証免除での入国目的に加え、スポーツ(商業目的でないもの)、研究・短期留学・短期トレーニング、会議・商談等の就労を伴わない商用、物品購入目的での入国の場合は、VOAでの入国が必要です(滞在期間30日、手数料:米貨35ドル)。なお、VOAは1回のみ30日間の延長が可能です(手数料:35万5,000ルピア)。

到着時にVOAを取得する場合、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港およびバリ島のングラ・ライ国際空港等では、査証取得カウンターで手数料を支払い、領収書を受領後、入国審査ブースへ進み、旅券(パスポート)、領収書を入国審査官に提示し、VOAステッカーを貼付してもらいます。同空港以外では、従来どおり、入国審査カウンター手前の銀行カウンターにおいて査証料を支払い、到着査証カウンターにおいて、パスポートにスタンプまたはステッカーが貼られることにより査証が発給されます。VOAで入国した場合、他の滞在資格への変更は認められません。

空港でVOAを購入したにもかかわらず、パスポートにVOAのステッカーが貼られないケースや、パスポート上にビザ免除での入国印(VISAEXEMPTION)が押印されてしまったケースがあるため、VOA購入時には、必ず米貨35ドルの領収書を受け取り、入国審査時に必ずVOAステッカーが貼られていることを確認してください。また、領収書は領収日付が誤っていないか確認のうえ、出国まで保管してください。

出入国審査

指紋等の個人認証情報の提供について

インドネシア法務人権省出入国管理総局は、テロリストの流入等を防ぐため、インドネシアに入国する外国人に対して入国審査時に指紋等個人認証情報の提供を義務づける新しい入国審査手続きを2010年10月から正式導入するとして、同年3月より試験的な運用を実施しましたが、審査カウンターの不足等の問題が解消されない限り、当面、新しい入国審査手続きの正式導入はしない模様であり、現在、スラバヤのジュアンダ空港についてのみ実施されています。しかし、同局は、今後は他の空港・港でも実施する可能性があるとしています。

出入国審査時のトラブル

出入国審査に関して、以下のようなトラブルの例が報告されています。

  • 入国審査窓口で手続きを行ったにもかかわらず、入国審査官が旅券や出入国カードの裏に入国印を押し忘れ、出国時に入国審査官とトラブルとなった。
  • VOAを取得していた旅行者に対し、入国審査窓口にて入国審査官が、VOAは観光に限り有効等と主張して不当な要求がなされた。

入国後に旅券等に入国印が無いことに気づいた場合は、入国した地の入国管理局まで直接出向き、改めて入国手続きを行う必要が生じます。また、気づかずに出国しようとした場合等状況によっては不法入国あるいは不法滞在と見なされ、当局に身柄を拘束される可能性もありますので、入国印(日付)押印の確認はその場で行うよう心掛けてください。

携行医薬品について

医師の処方箋がある場合は主治医に英文のレターを作成してもらい、市販薬の場合には説明ができる様に英語で薬品名および使用目的を記載しておくことをお勧めします。不明な点は、ジャカルタ空港検疫所にお問い合わせください。

持込み・持ち出し禁止品目

持込み禁止(輸入禁止)品目は、麻薬等薬物、武器、ポルノ関係等です。べっこう製品を土産品店で販売していますが、これはワシントン条約(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」)で輸出入が禁止されているので、日本に持ち帰ることはできません。また、熱帯魚(アロワナ)等の野生動物も同条約で輸出入が禁止されています。さんごの持ち出しも禁止されています。

外貨申告

1億ルピア相当以上の通貨の持込みおよび持出しについては、税関への報告が必要です。また、持ち出す場合は事前に中央銀行の許可が必要となっています。

通関

税関では、税関係官による開披検査が行われており、開披を求められた場合には応じる必要がありますので、現在所持している物品が持ち込み可能か等を事前に確認のうえ、税関にてトラブルにならないようにご注意ください。もし何らかのトラブルが発生した際には、担当者の役職・氏名、発生日時、事案内容を明記して、管轄の在外公館にご相談ください。

滞在許可証

長期の滞在を目的として、駐日インドネシア大使館もしくは在大阪インドネシア総領事館等で事前に査証を取得してから入国される場合には、入国管理官がパスポート上に指定した入国管理事務所において、到着の日から7日以内に外国人登録を行い、滞在許可(ITAS/ITAP)を取得する必要があります。滞在許可を取得すると、「滞在許可証」(KITAS/KITAP)が発給されます。また、ジャカルタ特別州内に90日以上滞在する場合には、外国人来訪者身分証(KIP)を、スラバヤ市に長期滞在する場合には、KITAS発行日より14労働日以内に居住証明書(SKTT)を取得する必要があります。

詳細についてはインドネシア法務人権省入国管理局事務所、警察署、住民民事登録局等で確認してください。

外国人の宿泊について

外国人を宿泊させた者は、外国人が宿舎に到着した後24時間以内に最寄りの警察署に対して宿泊事実を報告することが求められています。通常、この手続はホテルやアパートメントが行っていますが、一般住宅に外国人を宿泊させる場合も同様の対応となります。

現地に到着したら

在留届

旅券法第16条により、外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する日本人は、住所または居所を管轄する日本の大使館または総領事館(在外公館)に「在留届」を提出するよう義務付けられています。住所等が決まりましたら、必要事項を記入の上、速やかに最寄りの在外公館へ提出してください(世帯ごとに届出をすることもできます)。
提出はFAXまたは郵送、インターネットで可能です。提出にあたっては、「在留届」用紙の注意事項をよく読んで提出してください。

  • 住所その他届出事項の変更およびインドネシアを去る(一時的な旅行を除く)ときはその旨の届出(変更および帰国届)を行ってください。

在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者(海外旅行者・出張者など)についても、現地での滞在予定を登録できるシステムとして、2014年7月より外務省海外旅行登録「たびレジ」の運用を開始しています。登録者は、滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール、また、いざというときの緊急連絡などの受け取りが可能です。

注意が必要な生活環境

各種取締法規

写真撮影

港湾施設、飛行場なども含めたすべての軍事施設は写真撮影が禁止されています。

麻薬

インドネシアにおいて、覚醒剤、コカイン、あへん(ヘロイン)、大麻、エクスタシーなど麻薬等薬物に係る規制は非常に厳しく、外国人も例外ではありません。麻薬関係の違反者は外国人であっても厳しく処罰され、場合によっては死刑あるいは禁固等の重刑が科されます。「外国人旅行者だから少しぐらい…」といった考えは絶対に通用しません。繁華街の街頭やディスコなど麻薬・薬物犯罪の温床となるような場所には近づかない、違法な薬物には絶対手を出さない、そして見知らぬ人から物品の購入や運搬を依頼されても決して応じないことが肝要です。

なお、麻薬犯罪に巻き込まれないためにも、次の点にも留意してください。

  • 自分では気づかないうちに「運び屋」として利用される可能性もあるので、出国の際、見知らぬ人物または知り合ったばかりの人物から、「△△氏へのおみやげを持って行ってほしい」などの依頼を受けた場合は、毅然とした態度で断る。
  • 警察が摘発のための捜査を行う場合は、警察はとりあえず現場にいる人すべてを逮捕するので、繁華街の路地裏など麻薬取引が行われる可能性が高い場所には絶対に立ち入らない。
  • 自動車に麻薬を積んでいる場合もあるので、事情を知らずに同乗し、一緒に検挙されることのないよう、ヒッチハイク等は絶対にしない。

銃器

「銃器爆発物法」により、銃器の所持は原則として禁止されています。

身分証明書の携帯

身分証明書の常時携帯が義務付けられており、原則として、短期滞在者はパスポートの原本、長期滞在者はパスポートまたは滞在許可証(KITAS/KITAP)の原本を携帯する必要があります。さらに、ジャカルタ特別州内に長期滞在される場合は外国人来訪者身分証(KIP)を、スラバヤ市に長期滞在される場合には、KITAS保有者は居住証明書(SKTT)の携帯も、KITAP保有者は外国人身分証(KTP)の携帯も義務付けられています。身分証明書、特にパスポートの紛失や盗難には十分注意してください。

その他

大手のクレジットカード会社でも、インドネシアでの取り扱いを行っていない場合がありますので、所持しているクレジットカードが現地で使用可能か、限度額はいくらか、パスワードは何番かについて事前に確認してください。

ATMでクレジットカード等を挿入したまま、引き出した現金を確認している間にクレジットカード等をATMに吸い込まれてしまい、その後、所持金を引き出せなくなり、旅行を続けることができなくなったという例がありますので、現金引き出しの際は注意してください。

風俗・習慣・国民性

国民の大部分(約90%)がイスラム教徒のため、多くのインドネシア人はアルコール類や豚肉を口にしません。また、イスラムの戒律にある断食月(時期は毎年異なる)の期間中は、特にナイト・スポット等の営業時間が制限されます。左手は不浄とされているので、左手を使った物の受け渡しは避けてください。

アチェ州はイスラム教の戒律が厳格な地域であり、イスラム法(シャリーア)による罰則が適用されています。また、アチェ以外でもいくつかの地方自治体においてシャリーア法条例が制定されています。イスラム教徒以外には原則適用されませんが、特にこれらの地域では外国人といえどもイスラム法に反する行為(飲酒等)を慎む等の配慮が必要です。

椅子に座った際に足の裏が見えるような足の組み方をしたり、左手で子どもの頭をなでたりする等の動作が相手に不快感を与える場合があるので注意が必要です。また、相手を人前で怒ったり、軽蔑するような態度をとったりすることは日本では考えられないほどの恨みを買い、刃物で報復されることもあり得ますので、避けてください。

健康・医療

インドネシア(バリ) 医療事情
(ジェイアイ傷害火災調べ 2016年8月時点)

項目 内容 日本(ご参考)
救急車の料金
①公営:
無料
②民営:
3,000円~12,000円
無料
通常利用しない
初診料 4,000円~8,000円 2,820円
病院部屋代
(1日当たり)
①個室:
13,000円~20,000円
②ICU:
30,000円~100,000円
80,000円~100,000円
虫垂炎手術の治療費
①総費用:
710,000円
②平均入院日数:
3~4日
600,000円
4日間
骨折時の治療費
(橈骨末端閉鎖性骨折)
62,000円 20,000円
ファミリードクター制度 あり
  • 緊急時を除き、(歯科等一部を除き)全科診察可能な医師の診察を受け、その後必要に応じ専門医へ紹介
なし
  • 初診から専門医の受診が可能(ただし、総合病院等で紹介状が必要な場合あり)
乳児死亡率
(1,000人当たり)
25人 2人
平均寿命 71歳 84歳
協力:Kasih Ibu General Hospital 聖路加国際病院
注意事項
  • 全体
    • 海外では自由診療となるため、治療費は受診する医療機関や治療内容等によって大きく異なります。一覧は目安として下さい。
    • 日本人旅行者が利用することが多い私立の医療機関を中心に調査しているため、その国一般の相場と異なる場合があります。
  • 項目別
    • 1.
      公営の救急車は原則行き先を指定できません。距離加算の記載がない場合は、原則同一市内の料金となります。
    • 2.
      初診時の最短時間(通常10~20分程度)の診察料となります。別途医療通訳費が必要な場合があります。
    • 3.
      部屋の使用料のみとなり、実際に入院する際には、その他に医師の診察料、薬剤費等が必要となります。
    • 4.
      腹膜炎を併発していない手術を想定しており、術式等は医療機関により異なります。
    • 5.
      転倒し、手をついた際に骨折しやすい箇所となります。レントゲン検査、固定処置を行い1回のみの外来診療を想定しています。
      (帰国後に継続治療を行うことを想定していますが、その治療費は含んでおりません)
    • 6.
      当該国の一般的な医療制度を記載しており、医療機関や緊急度合い等により記載と異なる場合があります。
    • 7.
      出典:世界子供白書2015<要約版>-日本ユニセフ協会
    • 8.
      出典:総務省統計局発行、総務省統計研修所編集「世界の統計2016」
  • 日本の医療事情
    • 詳細金額は医療機関の設備や治療内容等により異なりますが、概ねの理解をいただく目的で、一般的な料金を記載しています。
    • 治療費は、海外と比較する目的で健康保険利用の基準である1点10円かつ全額(10割)自己負担として算出しています。健康保険を利用し受診した場合の自己負担額は通常記載よりも低額となります。また、日本で健康保険を利用しない自由診療の場合は、医療機関により点数換算が異なります。
過去に発生した保険請求事故実例(インドネシア)
  • ホテルで意識を失う。脳内出血と診断され11日間入院・手術。家族が駆けつける。医師が付き添いチャーター機で医療搬送。
    治療・救援費用 保険金支払額:
    12,066,650円
  • タクシ-乗車中に交通事故。大腿骨骨折と診断され1日入院後、医師と看護師が付き添い帰国。
    治療・救援費用 保険金支払額:
    3,150,498円

医療事情

医療事情は、地域格差が大きく一概には言えません。ジャカルタ市内においても医師などの医療従事者数が不足しており、満足のいく医療サービスを提供できる環境にはありません。脳血管疾患や心疾患のような致死的疾患で高度の医療行為が必要な場合は、基本的にシンガポールか日本への緊急移送となることが多いです。また、ジャカルタ市内を始め都市部では、慢性的な交通渋滞のため急病が発生しても病院にたどり着くまで数時間かかることも、まれではありません。インドネシアでは病気にならないための日常からの予防策が重要とお考えください。

インドネシアでは、医師は公務員でも医療機関3か所まで掛け持ち勤務(兼業)が認められています。受診前に、受診を希望する医師の診療日・時間を確認しておきましょう。また、インドネシアの病院は、国公立私立を問わずアメニティの異なる病室を数種類(大部屋から2人部屋、個室、特別室まで)用意することが義務づけられています。日本でいう差額ベッドですが、病室料金だけでなく医療費全てに影響します。たとえば同じ検査や治療を受けても、その費用は病室ランクによって違ってきます。ほとんどの病院でクレジットカードによる医療費の支払いが可能です。ただしキャッシュレスサービスについては、受診前に加入している海外旅行傷害保険会社に確認してください。

インドネシア国内では、約四半世紀の長きにわたり駐在員や日本人に対して医療を提供していたJJC(Japan Jakarta Club)医療相談室を始め、複数の日本人医師・歯科医が長年活動していましたが、2016年に施行された「外国人医療従事者に関する規制」の影響で、そのすべてが現在閉院しました。一部クリニックでは、日本語を理解する医師・看護師または日本人看護師が中心となり、在留邦人を対象に医療サービスを提供しています。

病院施設としては、規模によりランク付けされた国立病院が全国各地にありますが、その大部分は老朽化が進んでおり、また医療従事者も十分とはいえない状況です。人口あたりの病床数は日本の1/13程度で、医師数も日本と比べ非常に少ないです。大部分の医師が都市部に集中しているため、地方における医師不足は深刻な問題となっています。一方都市部には、裕福層を対象とした私立病院が次々に設立されており、最新鋭の診断機器を有する病院も複数あります。大部分の私立病院では、海外旅行傷害保険が適応可能ですが、受診に際して数千ドルの保証金が必要になる場合もあるため、渡航前にクレジットカードの限度額などの確認をお願いします。インドネシアでは、2015年より国民皆保険制度が新たに導入され、その影響もあり国公立病院は常時混雑しています。
また、言語や受診システムの問題もあり、国公立病院に日本人が受診するのは、現実問題として非常に困難であると考えられます。私立病院は、比較的受診することは容易ですが、専門医師の診断を受けるまでにかなりの時間を要する事が多く、慣れないうちは、日本人を対象とした窓口を有する病院を受診することをお勧めします。

注意を要する病気

インドネシアは、東西5,000キロを越え3つの時間帯がある、日本の約5倍の面積を有する広大な島嶼国です。大小1万7,000の島々に民族も宗教も様々な国民が暮らしており、総人口は約2億6,000万人と世界第4位の人口を有する国です。赤道直下のインドネシアは熱帯性気候に属し、4~10月までの乾期と11~3月までの雨期に分かれます。とりわけ12月、1月には大量の雨が降ります。気温は、ジャカルタ市で通年27~29℃前後であり高温になることは少ないですが、日差しが強いので紫外線対策は必要です。ジャカルタなどの都市部では、大気汚染は極めて深刻な状況であり、大気汚染に起因する呼吸器系症状が出やすい状況にあります。

腸管感染症(急性腸炎・食中毒・腸チフス・赤痢アメーバ症・A型肝炎など)

下痢はインドネシアではきわめて日常的な症状です。下痢を引き起こす病原菌には、いろいろな細菌・ウイルスなどがあり、原因菌を確定できないことが大部分です。ほとんどの場合は軽症ですが、体重減少を伴う下痢・発熱を伴う下痢・血便を伴う下痢などの場合は重症化することもありますので、早めに医療機関を受診してください。特に腸チフスは、インドネシアではありふれた病気です。症状の出現が不定で確定診断までに時間を要することもありますので、渡航に際しては腸チフスワクチンの接種も考慮してください。

蚊が媒介する病気(デング熱、チクングニア熱、ジカ熱、マラリア)

いずれも蚊によって媒介される疾患で、潜伏期間は4日~2週間程度です。デング熱、チクングニア熱、ジカ熱は、ウイルス性の熱性疾患で症状が似通っています。

デング熱は、例年雨期に患者数が増加し、国内で年間10万人程度の患者が発生しています。典型的な症状としては、倦怠感、発熱、関節痛、頭痛、目の奥の痛みなどで、38度を超える熱が数日続き、その後発疹が出現します。なお、重症度は様々で、風邪程度で済むケースもあります。ジャカルタの在留邦人からも毎年何名も発症者が出ていますので注意が必要です。

チクングニア熱やジカ熱に関しては、症状が軽微ですむことが多いこともあり、インドネシアのほとんどの病院では診断技術を有していません。そのために患者実数も報告されていないと推定されています。これらの3疾患はいずれもウイルス性の疾患であり、治療は対症療法のみとなります。

一方、マラリアはジャカルタ等の都市部での発生はほとんどなく、パプア州などの東部地域で多く発生しています。マラリアは、マラリア原虫による感染症で、2週間程度の潜伏期間後に高熱で発症します。マラリアは前述のウイルス性の疾患と異なり有効な治療薬があるため、早期に確定診断して投薬を開始する必要があります。
インドネシア東部に旅行される際には、抗マラリア薬の予防的内服も考慮してください。風邪症状がないにも関わらず高熱がある場合は、これらの蚊が媒介する疾患を考慮する必要がありますので、早めに医療機関を受診してください。

呼吸器系の病気

頻繁に風邪をひく、風邪の後の咳が長引く、副鼻腔炎が悪化した、ずっと喉が痛い、喘息が悪化したなど、呼吸器関係の不調を訴える方が目立ちます。エアコンによる居室の乾燥、排気ガスなどによる大気汚染、閉め切った室内のダニ(アレルギー)などが複合的に関与していると思われます。気管支の弱い方は、ご自宅に空気清浄機や加湿器、場合によっては吸入器を用意すると安心です。また、自家用車にはマスクを常備し、運転手が咳をしていたらマスクを着用させるといいでしょう。マスクはインドネシアの薬局で容易に購入できます。

結核

インドネシアは、WHOが指定する結核高負担国30か国の一つで、2016年度の新規罹患患者数が102万人と世界でインドに次ぐ高蔓延国となっています。運転手などの使用人を介して感染が起こることもありえます。市内の人混みでは、排菌者(結核菌を咳とともに出している人)が存在することを前提に、マスクなどの自己防衛を行うとともに、微熱や長く続く咳がある場合は、医療機関を受診してください。

HIV・エイズ

国内で推定されるHIV感染者は、約63万人といわれており、成人人口の0.4%が感染しているとされています(日本の約5倍)。2016年度の新規感染者は、4万8,000人で、2005年の859人と比較して爆発的に感染が広がっている状態で、現在アジアで最も感染が拡大している国とされています。
主な感染源は、異性間性行為が78%を占め、薬物注射が9.3%、母子感染が2.6%となっています。

狂犬病

ジャカルタ市内では、野犬を見ることはほとんどありませんが、東部インドネシア特にバリ島では多くの野犬を見かけます。狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有しているイヌ、ネコ、コウモリ、サルなどに咬まれる等により感染する致死率の高い疾患です。狂犬病患者の多くは、ジャワ島以外のスラウェシ島やバリ島からの報告です。

狂犬病ウイルスを保有している可能性のある動物に咬まれた場合はただちに傷口をよく洗い、速やかに医療機関を受診して発症を予防するためのワクチン接種(暴露後免疫)等の処置を受ける必要があります。狂犬病のリスクのある動物と接する機会が多い場合や咬まれてもすぐに医療機関を受診できない環境で生活する場合には、あらかじめワクチン接種(暴露前免疫)を受けておくことが勧められます。

鳥インフルエンザ(H5N1)

本来鳥に感染するウイルスが、人に感染して発症する呼吸器系感染症で、致死率の高い疾患です。インドネシアでは、2005年に初めて人への感染が確認されて以来、毎年人への感染例が発生しており、2018年10月までに200名の感染が確認され、うち168名が死亡しています(エジプトに次ぐ世界2位の感染者数)。

H5N1鳥インフルエンザウイルスによる家禽大量死事例は、国内で現在も毎月散発しており、家禽症例に関していえばインドネシアは世界最大の発生国です。感染者の大部分は、野鳥を対象とした職種や養鶏業者などの濃厚接触者であり、通常の生活する上では過大に心配する必要はありませんが、人から人への感染が発生し、大きな流行が発生した場合は、医療面の問題だけでなく、社会インフラへの影響や移動の制限、企業活動の制限などもあり得ることを前提に、心構えと準備を怠らないことが重要です。

事故・ケガ

バリ島を中心とした地域では、ウォータースポーツが盛んですが、ダイビングをはじめとする事故やケガが多発しています。周辺地域に外傷に対応できる病院や減圧症の治療が可能な病院が限られていることをご承知ください。特に、遠隔地でのダイビングや水の事故では対応がかなり遅れます。また、インドネシアの観光用の船はエンジントラブル等が多いとされていますので、海上交通手段は十分信頼できる業者に依頼するようにしてください。

虫刺症

インドネシアでは、トムキャトと呼ばれる小型の羽虫(和名:アオバアリガタハネカクシ、別名:やけど虫)が時折大量に発生します。この羽虫の体液が皮膚に付着すると強い炎症を起こしますので、潰さないように注意してください。また、自転車やオートバイに乗られる際は、眼鏡やゴーグルを着用してください。

予防接種

成人の場合、A型肝炎・B型肝炎・破傷風・日本脳炎に加えて、腸チフスがあげられます。日本では現在、腸チフスワクチンは未認可ですが、輸入ワクチンとしてトラベルクリニックなどで接種可能ですので検討してください。また、野生動物との接触が濃厚な方や都市部以外に滞在される方は、狂犬病ワクチンの接種も検討されてください。

インドネシアでは、ワクチン未接種の児童が年間100万人程度いるとされており、麻疹(はしか)、風疹、水痘(みずぼうそう)が常時発生しています。麻疹に関しては、正確な患者数は不明ですが、国内で年間10万件程度発生しているとされています。インドネシア国内で感染した麻疹や風疹が日本に輸入感染症としてもたらされる症例が、近年増加しています。
日本では、昭和53年~平成17年の期間は麻疹の定期接種が1回のみであり、現在20~40歳前後の日本人は、麻疹の抗体が少ない可能性があります。麻疹予防接種を2回行っている事が証明できない人は、追加で麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)を接種されることが推奨されます。また、風疹は妊娠中に罹患すると胎児に多大な影響を与えることから(先天性風疹症候群)、妊娠可能年齢の女性およびその家族に関しては、風疹抗体価を測定され、必要に応じて風疹含有ワクチンを接種することを推奨します。

小児の場合は、日本の接種スケジュールに従って年齢に応じた定期接種と任意接種を接種します。狂犬病などの接種要否は、成人同様に個別の判断になります。なお、日本で生まれた赤ちゃんの渡航は、BCG(1回)とDPT・IPV混合ワクチン(最初の3回)の接種が済んでからが無難です。

インドネシアでは、経済政策の一環として現地生産の医薬品やワクチンを優先して市場に流通させており、輸入医薬品に関しては、かなり厳しい制限があります。そのため、外国人向けのクリニックでもワクチンの在庫は不安定で常に品薄状態が続いています。2016年には、偽ワクチンが大量に市場に出回った事案が発生しました。小児の定期接種が、在庫状況によってはインドネシアで接種できないことも十分あることをご承知ください。

健康上、心掛けること

経口的に摂取するものに気を配る

インドネシアで発生する大部分の疾患が、経口的に感染する感染症です。食事は、十分加熱されたものを食べるように心掛け、飲用水にはミネラルウォーターをご利用ください。外食時は衛生管理の行き届いた飲食店を選び、衛生管理の悪い屋台などは避けます。生野菜、カットフルーツ、刺身・寿司などの和食は、加熱処理ができないだけに、より厳しい食品衛生管理が求められます。飲食店で提供される氷に関しても、信頼置ける飲食店以外では、「氷なし」で注文された方が無難です。

蚊に刺されないように注意する

外出時には、長袖・長ズボンを着用するなど皮膚の露出を最低限に抑えるとともに、忌避剤(DEET含有のスプレー、ローション)を検討してください。インドネシアでは殺虫剤抵抗性の高い蚊の存在が確認されています。忌避剤を選択される際は、成分濃度の高い製品(DEET30など)を選択してください。独立家屋や集合住宅の低層階では、網戸や窓ネット、蚊取線香など屋内の防蚊対策も必要です。蚊は、植木鉢や空き缶、古タイヤなど小さな水溜まりでも繁殖しますから、繁殖場所を作らないように家屋の周囲にも気を配ります。敷地内で定期的に殺虫剤を噴霧するのも有用です。また、マラリア汚染地域に滞在される方は、殺虫剤を染み込ませた蚊帳の中で就寝するなどの一層の注意が必要です。

脱水・日焼け対策

インドネシアの気温は、年間を通して28~30℃前後で、日本のような高温になることはありませんが、紫外線は強く屋外では紫外線対策が必要です。日除けローションやつばの広い帽子や首巻きなど日差し対策を工夫してください。屋外活動時には発汗で多量の水分が失われますので、のどの渇きを自覚する前から水分をこまめに補給してください。

その他

淡水性の寄生虫感染の危険がありますので、河川や湖沼にみだりに入らないことをお勧めします。急性虫垂炎等の簡単な手術はインドネシアでも可能と思われますが、脳心血管や脊髄などの複雑な手術はインドネシアではお勧めできません。また、輸血が必要な場合には輸血用血液について感染症(梅毒、B型肝炎、C型肝炎、エイズ等)の再チェックを必ず病院に依頼すべきです。地方の医療施設は一般にジャカルタに比べて信頼性に欠ける場合が多いと考えるべきです。

帰国後の症状発現

前述したデング熱・マラリアや腸チフス、麻疹や風疹などは、一定期間の潜伏期間を有しますので、帰国後に症状が出現することもあり得ます。インドネシアから帰国後に発熱や発疹などの症状が出た場合は、トラベルクリニックなどの専門医療機関に受診することをお勧めします。

海外⽣活不適応について

気候、⽣活習慣、⾷事、治安状況、⼈種、宗教、⾔葉の違いは、適応に相当な努⼒を要します。うまくいかないと不適応症候群となり、精神⾯のみならず胃腸系や循環器系に変調をきたします。きまじめなタイプや完全主義者に陥りやすい傾向があります。適応には時間がかかること、誰でも⼀度は通る道であることを認識してあせらないことが肝⼼です。疲れたときは無理せず、⼗分な休養、時には⻑期休暇が必要です。
特に家族で赴任されている⽅はご家族のメンタルヘルスにも気を配ってあげて、できるだけ不満や愚痴を聞いてあげるようにしてください。

交通事情

一般的な交通事情

インドネシアの交通事情は日本国内とは大きく異なります。道路は自動車だけではなく、オートバイ、自転車、ベチャ(三輪自転車タクシー)と歩行者などでごった返しているのが普通です。交通規則は、日本と同じ左側通行ですが、地元の人々の交通マナーは極めて悪いので、こちら側が交通規則に忠実に運転していても事故を起こしかねない場合もあります。

インドネシア、特にジャカルタにおける道路交通事情は非常に劣悪なので、車の運転は運転手に任せ、自分では運転しないよう心掛けてください。また、座席の前後を問わず、安全のためにも常にシートベルトを着用してください。法令上、運転手席および助手席はシートベルト着用義務があります。運転手には、安全運転を心掛けるよう平素から十分に指導する必要があります。また、日中は交通渋滞が生じやすく、特に朝夕は激しくなります。さらに、一方通行が多く目的地まで思わぬ時間を要することから、運転手に無理な運転をさせないためにも、あらかじめ時間的なゆとりを持って行動することが重要です。

交通事故に遭遇した際の注意事項

自分の車が交通事故を起こした場合は、追突等の二次的事故が起こらないよう安全な場所に移動します。事故の当事者はあくまで運転手であるので、示談交渉等については運転手に交渉させ、自分は安易に車外に出ないようにしてください。身の危険を感じた場合、状況によっては早急にその場から最寄りの警察等、安全な場所へ避難してください。また、速やかに勤務先や家族、友人、レンタカーであればレンタカー会社へ通報することも重要です。

事故現場には野次馬が集まることがあるので、可能な限りホテルの駐車場等の安全な場所に移動してください。その際、特に事故現場では相手を刺激するような言動は慎むとともに、必要であれば、同乗者、付近のビルの警備員等に警察、病院等への通報を依頼してください。

軽微な物損交通事故であれば、基本的にはその場での示談となりますが(警察への通報義務はない)、解決がつかない場合や後日の示談に相手が応じそうもないような場合等には、両当事者(当方は運転手のみ)揃っての警察への出頭を促すなど、臨機応変の措置をとることも必要です。

人身交通事故の加害者となった場合は、周囲の状況(野次馬が集まってくる等)や相手の負傷の程度等を勘案した上で、必要であれば自分の車、タクシー等で負傷者を病院に搬送するなど、臨機応変の措置をとりましょう。

事故現場では後日のトラブルを避けるため、相手の運転免許証や身分証明書記載事項、相手車両の車検証やプレート番号等を運転手に控えさせておくことも大切です(保険への未加入者も多い)。自分自身の身分事項について答える必要がある場合は、氏名、会社名および会社の電話番号にとどめ、自宅の住所や電話番号はなるべく教えないようにしましょう。

警察で事情聴取を受ける場合は、通訳可能な同僚等の同伴を求めるとともに、必要に応じて日本大使館領事部に通報してください。捜査報告書等への署名を求められた際は、内容を十分に確認した上で応じ、安易に署名しないようにすることが重要です。

安全に暮らすために

治安情勢(外務省海外安全ホームページより)

下記は2019年8月現在の状況です。外務省海外安全ホームページ等を活用し、常に最新の状況を確認するようにしましょう。また、滞在中は常に治安情勢の変化に気を配り、新聞、テレビ、現地人等の情報にも注意してください。

最新情報

外務省より下記危険情報が発出されています。

危険情報
本情報は2019年8⽉30⽇現在有効です。
インドネシアの危険情報【危険レベル継続】
2018年8⽉7⽇
危険レベル
  • パプア州(プンチャック・ジャヤ県、ミミカ県のみ)および中部スラウェシ州ポソ県
    レベル2:不要不急の渡航は⽌めてください。(継続)
  • 上記を除くすべての地域(⾸都ジャカルタおよびバリ島を含む。)
    レベル1:⼗分注意してください。(継続)
ポイント
2016年以降、インドネシア各地において、警察官襲撃、⾃爆テロ、宗教施設襲撃等のテロ事件(未遂を含む)が続発しています。今後、2018年アジア競技⼤会など⼤きなイベントが開催されますが、これら⼤きなイベントなど不特定多数が集まる場所では、テロの標的となりやすいことから、細⼼の注意を払うとともに関連情報を収集のうえ、テロ被害を避ける⾏動を⼼がけてください。
1. 概況
  • (1)
    テロ情勢

    インドネシアにおいては、ジュマ・イスラミーヤ(JI)が関与したとされる⼤規模な爆弾テロが、ジャカルタおよびバリ島で2002年から4年連続発⽣したほか、また、2009年7⽉にもジャカルタで発⽣しました。その後、テロの実⾏グループに属するとみられるメンバーの多くが各地で摘発され、JIの勢⼒は低下したものとみられていました。

    そのような中、2016年1⽉14⽇、ジャカルタ中⼼部のタムリン通りにある警察詰所、⽶系コーヒーショップおよびその周辺において爆弾テロ事件が発⽣し、⺠間⼈4名が死亡、24名が負傷しました。本事件に関しては、JIではなく、「ISILインドネシア」なる組織名で犯⾏声明が発出されました。

    2017年5⽉24⽇、東ジャカルタのカンプン・ムラユのバスターミナルで発⽣した警察官を狙った⾃爆テロ事件では、犯⼈2名を含む5名が死亡、11名が負傷しました。

    2018年5⽉14⽇には、スラバヤ市の教会に対する爆弾テロ事件が発⽣し、犯⼈6名含む20名が死亡、40名以上が負傷、ISIL(イラクとレバントのイスラム国)が「東アジア」における実績として犯⾏声明を発出しました。その後もインドネシア国内各地において警察官や宗教関連施設等を狙ったテロ事件(未遂を含む)が依然として続発している状況にあります。

    インドネシアでは上記のようなテロ事件、襲撃事案等が続発しているほか、不特定多数が集まる場所は、テロの標的となりやすいため、細⼼の注意が必要です。このような情勢を⼗分に認識して、テロ等の被害に遭わないよう、海外安全情報および報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の⼊⼿に努め、以下の点を⼼がけてください。

    • テロの標的となりやすい場所(警察関連施設、デパートや市場、観光・リゾート施設、公共交通機関など不特定多数の⼈が集まる場所、欧⽶関連施設や宗教関連施設など)を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れる。
    • 複数の爆弾が時間差で爆発することも想定されることから、爆発現場には近づかない。
    • 爆弾事件や不測の事態が発⽣した場合の対応策を再点検し、状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう⼼がける。
    • 在留地・滞在先等の近くで爆発や銃撃戦等が発⽣した場合は、直ちに安全な場所に避難するとともに、⼤使館等に状況等を連絡する。
  • (2)
    その他の治安情勢

    分離独⽴や州の分割問題を抱えるパプア州および⻄パプア州の⼀部の地域では治安が不安定な状況が継続しています。

    中部スラウェシ州ポソ県では、1998年末にイスラム教徒住⺠とキリスト教徒住⺠の間で衝突が発⽣し、その後も不安定な状況が続きましたが、現在は沈静化しています。しかし、同県郊外の⼭岳地帯にイスラム過激派が拠点をつくり、治安部隊や地元住⺠を襲撃する事件が発⽣したことから、治安当局による対テロ作戦が実施・継続されています。2016年7⽉に指導者が死亡するに⾄りましたが、未だに残党が潜伏しているため、注意する必要があります。

    ⾸都ジャカルタを始めとする主要都市では、宗教関係者・学⽣・労働組合等⼤⼩様々なデモ活動が発⽣する可能性があります。また、今後も国内政治の動向と連動する形で、デモや集会が発⽣する可能性があります。

  • (3)
    感染症

    インドネシア国内において、2005年に⿃インフルエンザ(H5N1)のヒトへの感染が確認されて以降、国内各地で感染者が確認されており、インドネシア保健省によれば、2018年6⽉末までに200例が確認され、うち168例において死亡しています。ここ数年は、ヒトへの感染の報告はほとんどなくなりましたが、依然として家禽類の⼤量死亡事例は国内各地で発⽣しているため注意が必要です。

    狂⽝病については、インドネシアではジャカルタ⾸都特別州、ジョグジャカルタ特別州など⼀部の地域を除いて全国的に患者が確認されており、依然として多くの死亡例が認められます(インドネシア保健省によれば、2017年の死亡例は90例)。特に、野⽝の多いバリ島においては引き続き警戒が必要です。⻑期滞在者や動物との接触の可能性がある⽅は、狂⽝病の予防接種を検討してください。

    インドネシア国内では、⿇疹・⽔痘・⾵疹などの感染症が散発的に発⽣しており、ここ数年、⽇本における⿇疹は、インドネシアで感染した旅⾏者からの報告が最も多くなっています。現在20〜40歳代の⽇本⼈は、⿇疹の免疫が不⼗分とされていますので、過去に⿇疹に罹ったことのない⼈、⿇疹に対する2回のワクチン接種を終えていない⼈は、渡航に際してワクチン接種(MRワクチン)を検討してください。

2. 地域別情勢
  • (1)
    パプア州(プンチャック・ジャヤ県、ミミカ県のみ)および中部スラウェシ州ポソ県
    レベル2:不要不急の渡航は⽌めてください。(継続)

    パプア州プンチャック・ジャヤ県およびミミカ県
    パプア州および⻄パプア州においては、依然として分離独⽴を求める声があり、⼀部の地域では独⽴派住⺠が関与しているとも⾔われる治安当局との衝突等が散発的に発⽣しています。特に、パプア州のミミカ県からプンチャック・ジャヤ県にかかる地域周辺では、OPM(パプア分離独⽴運動グループ)と⾒られる武装集団が治安当局等を襲撃する事案が散発的に発⽣しています。
    中部スラウェシ州ポソ県
    ポソ県の情勢は沈静化していますが、同県郊外の⼭岳地帯にイスラム過激派が拠点をつくり、治安当局や地元住⺠を襲撃する事件が発⽣したことから、2015年以降、治安当局による対テロ作戦が実施されています。2016年7⽉に同グループの指導者の死亡という⼀定の成果を収めましたが、完全には掃討されておらず、まだ残党が潜伏していることから、作戦は継続されています。
    つきましては、上記地域への不要不急の渡航は⽌めてください。渡航・滞在される場合には、最新の情報収集に努め、信頼できる現地情報に詳しい⼈を同⾏させるなど、特別な注意を払うとともに⼗分な安全対策をとってください。
  • (2)
    上記を除くすべての地域(⾸都ジャカルタおよびバリ島を含む。)
    レベル1:⼗分注意してください。(継続)

    インドネシア国内のISIL⽀持者は⼩さなセル(グループ)を形成し、引き続き活動しています。ISILを⽀持するジュマ・アンショール・ダウーラ(JAD)構成員の逮捕が各地で相次いでいますが、脅威は継続しています。また、JI等の他のイスラム過激派組織もISIL⽀持勢⼒の活動に刺激される可能性がありますので、依然として状況は流動的です。2016年1⽉以降に発⽣した主な事件は以下のとおりです。

    • 2016年1⽉、ジャカルタ中⼼部のタムリン通りでの爆弾テロ事件
    • 2016年7⽉、ソロ(スラカルタ)警察署における⾃爆テロ事件
    • 2016年8⽉、メダンの教会における司祭襲撃事件
    • 2016年10⽉、タンゲランにおける警察官襲撃事件
    • 2016年11⽉、東カリマンタン州サマリンダの教会への⽕炎瓶投擲事件
    • 2016年12⽉、⼤統領宮殿を狙った⾃爆テロ未遂事件
    • 2017年2⽉、バンドンにおける爆発事件
    • 2017年5⽉、東ジャカルタのカンプン・ムラユのバスターミナルで警察官を狙った⾃爆テロ事件(犯⼈2名を含む5名死亡、11名負傷)
    • 2017年6⽉、北スマトラ州警察本部に対するテロ事件
    • 2017年6⽉、南ジャカルタにおける警察官襲撃事件
    • 2017年9⽉、⻄ヌサトゥンガラ州ビマにおける警察官襲撃事件
    • 2018年5⽉、国家警察機動隊本部拘置所での暴動・⼈質⽴てこもり(受刑者1名および警察官5名が死亡)
    • 2018年5⽉、スラバヤ市内3カ所の教会に対する⾃爆テロ事件(実⾏犯6名を含む20名死亡、40名以上負傷)
    • 2018年5⽉、東ジャワ州シドアルジョにおける爆弾爆発(3名死亡、2名負傷)
    • 2018年5⽉、スラバヤ市警察署前での⾃爆テロ(犯⼈4名死亡、犯⼈1名を含む11名負傷)
    • 2018年5⽉、リアウ州警察本部への襲撃、警察が犯⼈4名を射殺、1名を逮捕(警察官1名死亡、警察官2名および報道関係者2名負傷)
    • 2018年7⽉、東ジャワ州パスルアン県で爆弾爆発(1名死亡)

    アチェ特別州においては、2005年8⽉にインドネシア政府とアチェの独⽴を求める武装集団「GAM」(独⽴アチェ運動)との間で和平合意が結ばれ、独⽴運動は終結しました。しかし、⼀部の県では武器弾薬が依然残存しているとみられ、過去の選挙では、政党間の問題に起因すると思われる⼿榴弾や銃器を使⽤した殺⼈事件が複数発⽣するなど、銃器等を使⽤した犯罪がたびたび発⽣しています。また、同州は⼤⿇の産地としても知られており、覚せい剤等の薬物も多く出回っていることから、治安情勢には⼗分な注意が必要です。
    なお、アチェ特別州ではインドネシア国内の他州と異なり、厳格なシャリア(イスラム法)が適⽤されているため、許可された場所以外での飲酒をしないようにし、モスクなどの宗教施設へ⼊る際には、観光客であっても半袖や短パンなどの⾝体を露出した服装を避け、⼥性は頭部にスカーフを着⽤し髪を覆うなど、イスラムに対するより⼀層の理解と配慮が必要です。

    パプア州(プンチャック・ジャヤ県およびミミカ県を除く)および⻄パプア州については、州都ジャヤプラ、ビアク島、⻄パプア州都マノクワリ等を始めとする多くの地域において、治安⾯で不測の状況が発⽣するおそれは排除されませんので、現地事情に関する最新の情報を⼊⼿するなど安全対策につとめてください。
    つきましては、これらの地域へ渡航・滞在に当たっては、危険を避けていただくための特別な注意が必要です。

    イスラム教では、⾦曜⽇が集団礼拝の⽇とされており、その機会を利⽤して、政治的スピーチやデモが⾏われ、それが⼤規模化、暴徒化する場合があります。また、その際、モスク等宗教施設やデモ等を狙ったテロや襲撃が⾏われることもありますので、特に⾦曜⽇には不⽤意に宗教施設等に近づかないようにしてください。

    ⼀般犯罪については、刃物や銃器を使⽤した強盗、パンク強盗、路上でのひったくり、ホテル内のロビーやレストランでの置き引き、押し売り、⾞上荒らし、タクシー強盗、路線バス内での集団スリ等による被害が依然として後を絶ちません。最近では、深夜・早朝便を使⽤するため市内をタクシーで移動中などに、警察官や⼊管職員を名乗る者からパスポート・⾝分証明書などの原本の提⽰を求められ、応じられない場合には法外な⾦銭を要求されるケースが報告されています。また、⼀般住宅では、強盗、空き巣等の被害が⾒受けられます。万が⼀、このような犯罪に巻き込まれた場合には、⾃⾝の⽣命の安全を第⼀に考え、犯⼈の要求に抵抗しないことが重要です。

    前述のとおり、インドネシアでは、2005年に⿃インフルエンザ(A/H5N1)のヒトへの感染例が確認されて以降、現在に⾄るまで、継続して感染例が確認されています。養鶏場、⿃を扱う市場、観賞⽤⿃店、動物園、家禽類飼育家庭などに不⽤意・無警戒に⽴ち寄らず、接触を避けてください。特に、⿃類の死体、内臓、排泄物には接触しないでください。また、鶏⾁や卵を調理する際には⼗分に加熱してください。念のため、⼈混みへの⽴⼊りは最⼩限にし、外出後には⼿洗い、うがいなどの通常の感染症予防対策を励⾏してください。⾼熱、全⾝倦怠感、呼吸器症状等が出た場合には、ためらわず最寄りの信頼できる医療機関を受診してください。

    インドネシアにおける狂⽝病の感染例については、ジャカルタ⾸都特別州、ジョグジャカルタ特別州等⼀部地域を除く全国で確認されています。特に感染例の多いバリ州、北スマトラ州ニアス県およびマルク州東南マルク県の3地域では、2011年2⽉に狂⽝病に関する⾮常事態が宣⾔されました。インドネシア全体で2017年にイヌ等による咬傷の報告数は約3万4,000件、狂⽝病を発症し死亡した⼈は90名と依然として多数の死亡例が報告されています。
    狂⽝病はイヌだけでなく、サル、ネコ、リス等の哺乳類やコウモリからも感染する可能性があります。狂⽝病は発症すると、致死率はほぼ100%という怖い病気です。飼い⽝を含め、動物にはむやみに⼿を出さないよう、特にお⼦さんには注意してください。もし狂⽝病のおそれのある動物にかまれたり、ひっかかれたりした場合は、まず傷⼝を⽯鹸と⽔でよく洗い流し、速やかに医療機関を受診し、暴露後ワクチンの接種を受けてください。なお、事前に狂⽝病予防接種を受けていない⽅は、暴露後ワクチンとあわせて抗狂⽝病免疫グロブリンの接種も有効とされていますが、インドネシア国内で⼊⼿できないこともあります。

    渡航に際して常⽤薬を多量に持参される⽅は、⼊国審査等の際に無⽤の誤解やトラブルを避けるためにも、念のため事前に治療薬の処⽅箋(英⽂・写真⼊り等)を⽤意するなどの対策を講じ、不明な点はジャカルタ空港検疫所(電話番号:+62-21-550-6068)にお問い合わせください。

    1998年5⽉、アジア通貨危機をきっかけに、ジャカルタを中⼼に暴動が発⽣し、約9,000⼈の⽇本⼈の⽅が、短期間に、商⽤航空臨時便、政府チャーター機で国外退避しました。このように、インドネシア国内どの地域にお住まいであっても、不測の事態に備え、⾷料、飲料⽔を備蓄しておくとともに、パスポート、貴重品、⾐類等をいつでも持ち出せるように準備しておき、さらに、退避⼿段についても常時確認しておいてください。また、家族のその⽇の⾏動は家族全員が相互に把握し、⾮常時に落ち合う場所を確認しておくとともに、家族にも携帯電話を持たせるなど、いつでも連絡が取れるような対策を講じてください。

3. ⾃然災害
2004年12⽉、スマトラ島沖を震源とするマグニチュード9.1の⼤地震、津波が発⽣し、甚⼤な被害をもたらしました。2016年9⽉にはロンボク島バルジャリ⼭、2017年11⽉および2018年6⽉にはバリ島アグン⼭、2018年5⽉には中部ジャワ州ムラピ⼭が噴⽕したほか、2018年7⽉29⽇および同年8⽉5⽇にロンボク島において⽴て続けに地震が発⽣するなど、インドネシアでは、地震、⽕⼭活動等の⾃然災害の発⽣が少なくありません。⾃然災害が発⽣した際、航空機や船などの交通機関が運休したり、電話やインターネットが不通となるなど、外部との連絡が⼨断されるほか、物資の供給が⼗分にできなくなります。したがって、緊急備蓄品(⾷料や飲料⽔(10⽇〜2週間分程度)に加えて、懐中電灯、ライター、ろうそく、携帯ラジオ、予備の電池等)を準備するなど、⽇頃から⾃然災害に対する警戒は怠らないようにするとともに、テレビ、ラジオやインターネット、滞在している地域を管轄する⼤使館または総領事館等で常に最新の情報を⼊⼿するよう⼼がけてください。
  • 詳細は、外務省海外安全ホームページをご覧ください。

テロについて

概況

インドネシアでは、2009年7月に発生したジャカルタ市内米国系ホテル同時爆弾テロ事件以来、多数の民間人が死傷する大規模テロは発生していませんでした。しかしながら、2016年1月にジャカルタ中心部において爆弾テロ事件が発生し、2017年5月には東ジャカルタのバスターミナルにおける自爆テロ事件が発生しました。さらに、2018年5月に東ジャワ州スラバヤ市内のキリスト教会および警察署における自爆テロ事件が発生しました。いずれの事件についてもISIL(イラク・レバントのイスラム国)が犯行声明を発出しています。

近年、ジュマ・アンショール・ダウーラ(JAD)と呼ばれる、明確な組織構造や指揮命令系統を持たないグループによるテロが発生しています。その形態は、インターネットおよびソーシャルメディアを介して、ISIL等の過激思想に感化された者が、偶発的に犯行を行うものであり、女性・子どもを含んだ自爆テロも発生しています。

インドネシアにおけるテロの主要な標的は、警察および警察関連施設であり、外国権益を目標としたとみられるテロは2009年以降発生していませんでした。しかしながら、2016年1月のジャカルタ中心部における爆弾テロ事件に関する犯行声明において、「十字軍連合の参加国国民の一団」が標的とされていたことから、同爆弾テロ事件は外国人も標的としていた可能性があり、ソフトターゲットへの脅威は排除されません。

中部スラウェシ州ポソ県郊外の山岳地帯において活動している東インドネシアのムジャヒディン(MIT)は、2016年7月に指導者が死亡して以来、その勢力は減少傾向にありますが、依然として残党が活動を継続しています。パプア州および西パプア州においては、インドネシアからの分離独立を標榜するパプア分離独立運動グループ(OPM)による治安当局への襲撃が散発的に発生しています。

各組織の活動状況
ジュマ・イスラミーヤ(JI)
インドネシアを中心に東南アジア地域にイスラム国家、あるいはカリフを戴くイスラム・カリフ制国家の樹立を目指しています。イスラム社会が西洋文明の脅威にさらされているとの認識の下、その象徴である欧米権益の排除を目指し、2002年から2009年にかけて大規模テロを実行したとされています。現在、JIの表立った活動は確認されていません。
ジュマ・アンショール・ダウーラ(JAD)
設立の経緯およびイデオロギーは明確ではありませんが、イスラム聖職者のアマン・アブドゥルラフマンからの影響を受け、2015年ころから国内での活動が見られるようになりました。明確な組織構造や指揮命令系統を持たないグループとみられています。セルと呼ばれる各グループの連携は緩いとされています。テロ活動の形態は、インターネットおよびソーシャルメディアの情報を介して、過激思想に感化された者による偶発的な犯行が目立っており、女性・子どもを含んだ自爆テロも発生しています。また、その標的は、ほぼ治安当局に特化しています。
ジャマ・アンショルト・タウヒード(JAT)
2008年7月、アブ・バカール・バアシールがそれまで所属していたインドネシア・ムジャヒディーン協議会(MMI)を脱退し、設立しました。バアシール自身は、JATをムスリムの団体であり、テロ組織ではないと主張していますが、インドネシアにおいてカリフ制の国家を樹立することを目的として、各種の活動を行っているとみられています。2014年7月、バアシールはISILを支持する立場を明確にしましたが、JAT内でISIL支持に反対するグループがこれに反発してJATを脱退し、下記のとおり、JASを設立しました。
ジャマ・アンシャルシー・シャリーア(JAS)
JATでの記述のとおり、バアシールがISIL支持を打ち出したことに反対し、2014年8月、バアシールの息子であるアブドゥル・ロヒムおよびロシド・リドホやJATの前議長であるモハマド・アクワン等がJATを脱退し、設立しました。アクワンを議長とし、2,000人の構成員がいると自称していますが、JATとも引き続き一定の関係を有しているとみられます。
東インドネシアのムジャヒディン(MIT)
明確なイデオロギーは不明ですがISILへの忠誠を誓い、シャリーアに基づくイスラム国家の樹立を目標としているものと思われます。中部スラウェシ州ポソ県郊外の山岳地帯に拠点をつくり、治安部隊や地元住民を襲撃しています。治安当局による対テロ作戦により、2016年7月に指導者が死亡するに至りましたが、未だに残党が潜伏して活動を継続しています。
パプア分離独立運動グループ(OPM)
パプア州および西パプア州においては、依然としてインドネシアからの分離独立を求める声があり、一部の地域では独立派住民が関与しているとみられる治安当局との衝突等が散発的に発生しています。特に、パプア州のミミカ県からプンチャック・ジャヤ県にかかる地域周辺では、パプア分離独立運動グループ(OPM)とみられる武装集団が治安当局等を襲撃する事案が散発的に発生しています。
日本人・日本権益に対する脅威

2005年10月にバリ島において発生したレストラン爆弾テロ事件により日本人1名を含む23名が死亡して以来、インドネシアにおいてテロによる日本人被害は確認されていません。
しかしながら、2015年9月のISIL機関誌「ダービク(第11号)」において、インドネシアに所在する日本の外交使節が標的の例示として掲げられていることや、2016年1月のジャカルタにおける爆弾テロ事件に関する犯行声明において「十字軍連合の参加国国民の一団」が標的とされていたことなどから、日本の外交使節、日本人、日本権益がテロの標的となる可能性も否定できません。
また、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、特に、近年では単独犯によるテロや、一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから、こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことがますます困難となっています。

このようにテロはどこでも起こり得ることおよび日本人が標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

誘拐について

イスラム過激組織

フィリピン南部スールー海域において、アブ・サヤフ・グループ(ASG)などのイスラム過激組織によるとみられるインドネシア人船員を狙った身代金目的誘拐事件が発生しています。2016年以降、同海域において36名のインドネシア人船員が誘拐されており、その大部分は順次解放されているものの、依然として2名のインドネシア人船員が武装グループに拘束されているとみられています。

分離独立運動グループ

パプア分離独立運動グループ(OPM)の武装部隊である西パプア民族解放軍(TPNPB)が、2017年11月にパプア州ミミカ県の村落を占拠し、村民など多数を拘束する事件が発生しました。2018年12月には、パプア州ンドゥガ県で、軍人と民間人合わせて30名以上が殺害される事件も発生しました。

その他

外国人を狙った誘拐事件の発生は確認されていません。

その他一般犯罪の発生状況

インドネシアでは、金品を目的とした強盗、スリ、置き引き等の被害が引き続き多発しています。最近では、市内で安価に銃器を購入できることから銃器等を使用した凶悪犯罪も増えており、一層の注意を払う必要があります。

日本人の被害状況としては、依然として、パンク強盗、路上や歩道橋でのひったくり、人混みでのスリ(特に路線バス内での集団スリ)やレストランやホテル内のロビーでの置き引きが発生しています。また、刃物を用いた路上強盗、窃盗目的で住居に侵入し、居合わせた住人に危害を加えるといった居直り強盗のような凶悪犯罪も発生しており、十分な注意が必要です。

また、ホテルの客室内での貴重品の盗難や航空機の預け入れ荷物からの貴重品の盗難も発生しており、ホテルの客室に貴重品を放置しない、貴重品は手荷物として機内に持ち込む等の注意が必要です。さらに、インターネットを通じての商品購入・売却を装った詐欺も確認されています。相手方の連絡先、所在地の確認に加え、現地ジャパン・クラブ等や、その他のウェブサイト等からも関連情報を入手する等、安易に相手を信用しない、不用意に代金の全額先払いを行わない、被害に遭ったときのことを考えて、相手から届いたメールや銀行振り込み時の控え、購入申込書を商品が到着するまで保管する等、未然の防止策を講じることをおすすめします。

主要地の犯罪発生状況と防犯対策

ジャカルタ
タクシー強盗

空港から乗ったタクシーで法外な料金を要求される等の事例もありますので、乗車後、運転手の氏名や車両番号、タクシー会社名をメモするか携帯電話で知人等に連絡しておくことをお勧めします。また、比較的安全なタクシーに色や名称を似せたタクシー会社も存在します。
ジャカルタ市内各地でタクシー強盗が発生していることから、タクシー利用に際しては次の点に注意することが必要です。

  • ホテル、レストランやショッピングモール等で、シルバーバード・タクシーやブルーバード・タクシー等比較的安全とされているタクシーを呼んでもらい利用する(24時間サービス、アプリサービスあり)。
  • 深夜に流しのタクシーを利用することは非常に危険なので避ける。
  • タクシーに乗車したら、すべてのドアがきちんとロックされていることを確認し、運転者証の写真と名前を確認し、別人と疑われる場合は速やかに降車する。
  • 万一タクシー強盗に遭遇した場合、絶対に抵抗せず、身の安全を最優先とする。
強盗

ジャカルタ中心部・タムリン通りのトランスジャカルタ停留所(Sarina駅など)へ向かう歩道橋付近、およびホテル・インドネシア・ロータリーの歩道橋付近にて、日本人から白昼強盗被害の報告が相継いでいます。
このため、ジャカルタ市内の移動に際しては、なるべく自動車を使用するようにし、やむを得ず徒歩で移動する際には、以下の点に留意のうえ、周囲に警戒を怠らないようにしてください。また、強盗に遭遇した際には、相手は武器を持っている可能性が高いので、抵抗せずに身の安全を第一に考えて行動してください。

  • 外出する際、できるだけ貴重品は持ち歩かないようにする。
  • やむを得ず、貴重品等を持ち歩く際には、被害を最小限にするため、分散して持ち歩く。
  • 歩行中は、鞄や携帯電話など所持品に常に注意を払う(移動中にスマートフォン等を見ると注意力が散漫になるほか、犯行のターゲットになりやすい)。
バイクひったくり
オートバイに乗った二人組が歩行者の背後から近寄り、歩行者の脇を走り抜けながら、ショルダーバッグ等をひったくる手口の犯行により、日本人も被害に遭っています。徒歩に際しては、周囲に不審者がいないかどうか確認し、高価な腕時計やバッグの持ち歩きは避け、バッグなどの荷物は車道の反対側に持つようにするなどの心がけが必要です。たすき掛けは、ひったくられた際に転倒したり、引きずられたりして大けがを負う可能性があるので、お勧めしません。
スリ、置き引き

スリや置き引きは、繁華街、デパート、トランスジャカルタ等の市内バス、列車の中、路上および歩道橋等で被害に遭う事例が多く、歩行者に話しかけるなど、気を引いている間にポケットやカバンの中から財布などの貴重品を盗み取ろうとする手口が横行しています。また、日本人がよく利用するショッピングモール内の飲食店やカフェで隣のイスや背後、足下に置いていたカバンを置き引きされる事例が多発しています。その他、長距離バス、空港・駅の構内、ホテル等で狙われる傾向があります。

日本人の被害では、主要ホテル(特に早朝のコーヒーショップ内、チェック・アウト時のカウンター付近やロビー)およびスカルノ・ハッタ国際空港(到着・出発ターミナルのロビー、レストラン、車寄せ付近)において、スリ・置き引き被害に遭い、貴重品の入ったバッグ等を奪われる事例が散見されます。滞在中の貴重品の管理については、次の点を参考に十分注意してください。

  • 貴重品およびスマートフォンは外から見えないように所持する。
  • 歩きながらスマートフォンは使用しない。
  • 現金は、当座必要なもの以外は、ホテル・フロントのセーフティボックスに預け、もし、携行する場合には、分散して所持する。
パンク強盗
路上に釘をばらまくなどして車のタイヤをパンクさせ、タイヤの点検・交換のため運転手や同乗者が車から降りたところで、車内から物を持ち去るといった手口の犯行が発生しています。道路走行中、車のタイヤがパンクしてもすぐに降車せず、周囲の状況をうかがい、状況に応じホテルやショッピングモール等の周囲の目につくような駐車場まで移動して、安全を確認した上でタイヤ交換等を行うようにしてください。タイヤ交換等を行う際には、貴重品は車内もしくはトランクに入れ、自分で鍵をかける等の注意が必要です。また、運転中あるいは一時停車中に、横に並んだ車あるいはバイクに乗った人物から、ジェスチャーで「タイヤがパンクしている」と教えられ、降りたところを襲われるという事例もありますので、まず安全な場所まで移動してから車を停めるよう心掛けてください。
車上荒らし
駐車中の車の窓ガラスを割り、ドアをこじ開け、車中に置いてあるものを盗む「車上荒らし」の被害も散見されます。対策としては、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る、鞄、携帯電話および貴重品を外から見える場所に置かないように注意するほか、車内に貴重品を残さないようにする必要があります。
麻薬等薬物犯罪
スカルノ・ハッタ国際空港において、麻薬等薬物を持ち込もうとした外国人が逮捕される事例が頻繁に報じられています。インドネシアにおいても麻薬等薬物の所持・売買・使用等は法律で禁じられており、場合によっては、外国人にも死刑や禁固等の重刑が科されますので、十分留意してください。
スキミング
ATM等から預金者の預金が引き出される被害が相次いで発生しています。犯人は、空港やショッピングモール等のATMにカードの情報を読み取る装置(スキマーと呼ばれるもの)を取り付け、周辺に小型カメラを設置して暗証番号を盗撮しているようですので、このような工作を受ける可能性の少ない銀行内のATM等を利用されるようお勧めします。また、ATMを利用する場合は、周辺(頭上や手元)に不審物が取り付けられていないか等よく確認のうえ、違和感を覚えた場合には取引をただちに中止し、取引銀行や警察等に通報するようにしてください。
ベチャ(三輪自転車タクシー)・バジャイ(三輪自動車タクシー)での金品盗難
ベチャ・バジャイに乗車していた日本人旅行者が、窓から突然手を差し込まれ、バッグに入った金品およびパスポート等を盗まれるケースがしばしば発生しています。利用する際には荷物等を所持しないことが一番ですが、所持する場合には、外から見えないようにするなどの工夫をしてください。
警察官・入管職員を名乗る者による身分証明書検査
深夜・早朝便を利用するため市内をタクシーで移動中などに、警察官や入管職員を名乗る者からパスポート・身分証明書などの原本の提示を求められ、応じられない場合、法外な金銭を要求されるケースが見られます。警察当局によると、路上で外国人の身分を確認することはありますが、その場で罰金を徴収するケースは基本的にないとのことです。このような場面に遭遇した場合は、身の安全を第一に考えながら、対応した警察官等の名札、公務員番号、パトカーの番号を控え、金銭を支払った際には領収書を要求するようにしてください。
バリ島
ひったくり、スリ、置き引き
手口および防犯対策はジャカルタにおける状況と同様です。観光客が多く訪れるクタ・レギャン地区での被害が多く発生しています。特に、深夜時間帯の繁華街では強引な手口のひったくりにより、被害者が転倒して負傷する事案も発生しています。また、集団で観光客を取り囲み言葉巧みに話しかけている間に金品を抜き取る手口も発生しています。深夜の外出や単独行動は避ける等の対策が必要です。
水難事故
水難事故も少なくありません。一部海域では潮の流れが速く、経験を積んだサーファーやダイバーでも危険なことがあります。また、大きな波で沖合に流されると戻れなくなり、日本人を始め外国人旅行者が犠牲となる事故が多発しています。また、遊泳禁止の看板が立っている浜辺は、浅く見えても急に深くなっていたり潮の流れが乱れていたりして大変危険です。天候や潮流を事前に確認するなど、十分注意してください。
麻薬等薬物の押し売り
観光客が集まる繁華街の路上、ナイトクラブ等で、覚醒剤、大麻等の薬物を売りつけてくる者がいます。薬物の所持・売買・使用等は法律で禁止されており、裁判所は外国人に対しても死刑判決を下すなど、薬物事犯に対して非常に厳しい姿勢で臨んでいます。万一、路上で押し売り等に遭っても絶対に相手にしないでください。
ジョクジャカルタ

旅行者(特に個人旅行者)を狙った犯罪が増えています。主な被害例は次のとおりです。

  • 旅行者がバスに乗車中、背負っていたデイパックのファスナーを開けられ、気付かないうちにパスポート、現金、クレジットカードをすられた。
  • 日本人旅行者が、日中に市内中心部の大通りを1人で歩いていたところ、数人の男に取り囲まれ、所持品を取られた。
メダン

大麻、覚せい剤等の麻薬犯罪や、路上強盗、ひったくり等の街頭犯罪が昼夜を問わず多く発生しています。特に夜間は単独、徒歩での行動は避け、自家用車や比較的安全とされているブルーバード・タクシー等を呼び出して利用するなどし、安全確保に注意する必要があります。

バタム島、ビンタン島

バタム島のナゴヤ(Nagoya)地区、ジョド(Jodoh)地区、フェリーターミナル周辺などでは、ひったくりや置き引きの被害が発生しているほか、犯罪組織が関与した売春、賭博、麻薬密売なども報告されています。また、ビンタン島では、ラゴイ(Lagoi)フェリーターミナル周辺においてスリや置き引きが発生しています。

スラバヤ

強盗、窃盗、バイク盗が犯罪の多くを占めています。強盗事件は、住居や店舗に押し入り金品を強奪する屋内強盗や、路上で金品を強奪される路上強盗が多く、その手口も拳銃や刃物などの凶器を用い、複数人で犯行を行うというように凶悪化傾向にあります。

窃盗事件は、住居や店舗に侵入し金品を窃取する侵入窃盗や、駐車場の車両から金品を窃取する車上狙い、路上などで所持しているカバンなどを奪い取られるひったくり、置いていた荷物が隙をついて奪われる置き引きなどが多く発生しています。路上強盗、ひったくり、車上狙い、バイク盗の犯罪は、人通りの少ない道路や監視員のいない駐車場などで多く発生しており、注意が必要です。
件数は少ないものの、日本人もこのような犯罪の被害に遭っていることから、十分に注意してください。

マカッサル

地域独特の慣習があり、人前で叱責され、恥をかかされた者が、怨恨による傷害・殺人事件を起こすことがあります。地元の人と接する際、人前で叱責するなどの誤解を招くような言動をしない等の注意をする必要があります。
また、金銭目当てのひったくりや強盗などの一般犯罪、薬物犯罪が多発しています。渡航者は、昼夜を問わず、事件に巻き込まれないよう、常に危機管理意識を持って行動する必要があります。

防犯対策

  • 空港から乗ったタクシーで法外な料金を要求される等の事例もあるため、乗車後、運転手の氏名や車両番号、タクシー会社名をメモするか携帯電話で知人等に連絡しておく。
  • 比較的安全なタクシーに色や名称を似せたタクシー会社も存在するため、十分に気をつける。
  • 徒歩の場合、周囲に不審者がいないかどうか確認し、高価な腕時計や高価なバッグの持ち歩きは避け、バッグは体の正面に持つなどの配慮を心掛ける。
  • 貴重品およびスマートフォンは外部から所持していることがわかりにくいように所持し、特に歩きながらスマートフォンを使用しない。

不測の事態が発⽣したときには、家族等の依頼を受け⼤使館より安否確認の連絡をする場合がありますので、滞在先等は必ず家族に連絡しておく等、常に所在を明確にしておくようにしてください。
⾮常事態が発⽣したと思われるような場合や、外出中に不測の事態に遭遇した場合は、⾃宅か職場等の安全な場所に戻り、事態が静まるまで待機してください。また、必ず⽇本国⼤使館に連絡してください。

緊急時の連絡先

安全のために、普段から予防対策を心掛けておくことが重要ですが、いざ事が起こったときのことを想定して、その時に被害を最小限にするための対策を講じておくことも大切です。緊急連絡先はメモしておき、家族それぞれが持つような努力が必要です。

警察・消防・救急

ジャカルタ(市外局番 021)
  • 警察・緊急:TEL 110(市外局番なし)、5234558、5234045〜6
  • 救急⾞:TEL 119(市外局番なし、⾞のみ)、334030(救急器具看護婦付き)
マカッサル(市外局番 0411)
  • 警察:TEL 110(市外局番なし)、TEL 515201〜3(南スラウェシ州警察)、3019277(マカッサル市警察)
  • 救急⾞:TEL 118(市外局番なし)
  • 消防⾞:TEL 113(市外局番なし)、854444
メダン(市外局番 061)
  • 警察:TEL 110(市外局番なし)、4520348
  • 消防⾞:TEL 113(市外局番なし)、4515356
  • 救急⾞:TEL 118(市外局番なし)、4158701
スラバヤ(市外局番 031)
  • 警察:TEL 110(市外局番なし)、8290084(東ジャワ州警察)
  • 救急⾞:TEL 118(市外局番なし)
  • 消防⾞:TEL 113(市外局番なし)
デンパサール(市外局番 0361)
  • バリ・クライシス・センター(災害、交通事故、救急⾞、消防⾞、警察への通報):TEL 251177
  • 警察:TEL 222200(州警察)、224111(観光警察)
  • 救急⾞:TEL 223333、227911(国⽴サンラ病院)
  • 消防⾞:TEL 113(市外局番なし)、223333
  • 出典:
    損保ジャパン・SOMPOリスクマネジメント『海外生活を安全におくるために August2019』
    ジェイアイ傷害火災保険株式会社 『海外での医療事情』

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